大岡越前3、縛られ地蔵に始まったシリーズ全8話いかがでしたか?
最終話ではとくに、壮大なロケーション撮影のお白洲があり、
見応え十分だったのではないでしょうか。
大岡越前の脚本は、
かつて加藤剛さん主演で制作されたものを土台にすることが多いのですが、
最終話『天下の御前白洲』の脚本は故大西信行先生による新作書き下ろしです。
ナレーションでも紹介された通り、
将軍様が直々にお白洲を見たことを「公事上聴(くじじょうちょう)」と言いました。
好奇心旺盛な吉宗が、裁判の様子を見るために江戸城、吹上の庭に白洲を設えて、
寺社・町・勘定の三奉行それぞれの裁きを親しく見たというもの。
時代は下りますが、あの遠山景元(金さん)が公事上聴で見事な裁きを見せて
将軍家慶から激賞され、大いに名を上げたという記録もあります。
史料によれば吉宗の開催した公事上聴で取り上げられた事件のひとつに、
偽の証文をつくって家屋敷の譲り渡しを迫った僧侶の犯行というものがありました。
そのとき南町奉行の大岡忠相はどこからか悪事の証人を見つけ出し
悪僧を恐れ入らせたと、まるでドラマのような展開!
今回のストーリーはこの事例をヒントに、大西先生のアイデアで
寺社奉行VS町奉行という構図を組み入れ出来上がったものです。
前代未聞の屋外お白洲シーンの撮影は、
京都の由緒あるお寺をお借りして行われました。
正面の建具をはずして将軍様の座る部屋の入側に御簾(みす)を取り付けました。
その前庭の向かって左側に三奉行の座る高台をセッティング、
葵紋を散らした屏風(びょうぶ)を立てます。
庭の真ん中を通る石畳を白砂で覆い、周囲に幔幕(まんまく)を巡らせ、
ガラスなどの現代物を隠す細工を施して、ロケセットの完成です。
ちょうど天候の不安定な時期でしたが、撮影当日は好天に恵まれました。
最終話ラストシーンのナレーション
「裁きは人の幸せを 守ってやろうためにあると 心に誓う忠相であった」
大岡越前のテーマをズバリ言いきって、素晴らしい締めくくりでした。
また、お会いできる日があることを祈りつつ、このブログも筆を置きたいと思います。
ありがとうございました。
投稿者:スタッフ | 投稿時間:20:45 | カテゴリ:大岡越前3