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仏・公共放送TV,合理化強化案を再提示

公共放送フランステレビジョンのフリムラン社長は3月22日,経費と要員の削減について,より厳しい合理化案を会社の経営委員会に提出した。

財政難のフランス政府は,フランステレビジョンへの補助金を大幅に削減すると通告しており,これを受けてフランステレビジョンの経営側は2012年9月,2億ユーロ(240億円)の経費節減と500人の要員削減を2015年末までに行うと労働組合側に提示した。

しかし,フランス政府がよりドラスティックな合理化案を求めていることなどから,フリムラン社長は,経費を2億3,000万ユーロ,要員を600人削減する案と,経費を3億3,000万ユーロ,要員を800人削減する案の2つを経営委員会に提出した。第1案についてフリムラン社長は,職員給与の抑制と番組の制作および購入経費の節減,そして全国に24のローカル局を持つFrance3の要員合理化によって達成できるとしている。第1案によっても収支バランスが達成できない場合,フリムラン社長は,第2 案によってニュースやスポーツ番組の予算節減,さらにFrance3の全国支局の統廃合に踏み込むとしている。

一方でフリムラン社長は,大幅合理化を避けるためには,2009年から廃止されているプライムタイムの広告を復活させるしかないと提示している。これによって2億ユーロの増収が見込まれるという。この問題では,商業放送の大手6社の社長が4月2日エリゼ宮に招かれ,オランド大統領との会談で公共放送の広告復活に対して強く反対した。

新田哲郎