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「エリアワンセグシステム開発委員会」設立

他の無線システムのために割り当てられているが,時間や地域などの限定条件のもとで他の目的にも利用可能な周波数,いわゆるホワイトスペースを利用して狭いエリアを対象とするワンセグ放送の早期実現を目指して,2010年10月22日に東京で「エリアワンセグシステム開発委員会」が設立された。

ホワイトスペースについては,総務省が10年8月に「ホワイトスペース特区」先行モデルとして10者11事業を指定し,NHKのワンセグを活用した被災地情報の配信,サッカー「湘南ベルマーレ」のスポーツ交流をいかした地元商店街への情報発信等の実証実験が行われることになった。総務省は10年9月に「特区」の全国展開を決め,ホワイトスペースを活用したサービスやシステムを計画している企業や地方公共団体等から提案の募集を開始した。そして,提案を評価するとともに全国展開に向けたルールつくり等を検討する「ホワイトスペース推進会議」をスタートさせた。

「エリアワンセグシステム開発委員会」は,こうした動きを受けて設立されたもので,先行モデルとして,神奈川県の横須賀市で狭いエリアを対象とするワンセグ放送の試行を推進してきた「狭域デジタル新型コミュニティ放送準備委員会」が呼びかけ,有識者や放送局,メーカー等の関係団体が参加してスタートした。

同委員会は,狭いエリアをカバーする電波の出力や利用可能な周波数,事業収益をどうはかるか,既存のサービスを妨害しない条件等について検討し,エリアの考え方やサービス内容を整理し,実現のための具体策を提言することにしている。

奥田良胤