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韓国,字幕放送が地上放送平均で95.6%に

国会の常任委員会のひとつ,文化体育観光放送通信委員会に所属するアン・ヒョンファン議員(与党ハンナラ党)が,10月3日,放送通信委員会に提出させた「最近3年間における地上放送社のハングル字幕,手話放送編成現況」という資料によると,地上放送4 社の平均編成比率は2010年8月31日基準で,字幕放送95.6%,手話放送4.9%であることが明らかになった。

同資料によると,2010年の地上放送4社における編成現況は,

  • KBS1:字幕放送99.0%,手話放送8.2%
  • KBS2:字幕99.9%,手話0.8%
  • MBC:字幕92.0%,手話3.6%
  • SBS:字幕95.2%,手話5.5%
  • EBS:字幕91.5%,手話6.7%
であった。

このうちKBS2の手話放送は,2008年2.0%,2009年0.5%,2010年0.8%と,編成比率が各チャンネルのうちで最も低いことが判明,字幕放送についても,MBCが2008年の編成比率が94.2%であったのに対し,2009年には93.0%,2010年には 92.0%と毎年減少していた。

アン議員は「現在の法律では,放送事業者は障害を持つ視聴者のために字幕,手話通訳などの便宜を図ることになっているが,地上放送4社に対する政府支援金が削減される中,手話放送に対する編成が十分には行われなかった」として,「放送事業者はシステムの構築や費用の問題などを検討して,障害を抱える視聴者たちが社会的疎外感を感じないように長期的な放送計画を構築しなければならない」と指摘した。

田中則広