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滞納受信料の強制執行 NHKが裁判所に申立て

NHKは2010年5月14日,受信料を滞納している契約者8人に対して,財産を差し押さえる強制執行を予告する通知書を郵送した,と発表した。

NHKは受信料の未払い者に対して,2006年11月に簡易裁判所を通じて支払い督促を開始した。10年3月末までに全国で841件の督促申立てを行ったが,90件は法的督促の決定後も,裁判所に異議申立てをしないまま支払いに応じず,強制執行の対象となっている。

NHKは訪問や文書等で支払い要請を続けたが,今回予告通知を郵送した8人は,不払いの意志が固く,差し押さえが可能と判断した人のなかから選んだという。

対象者は,東京,千葉,大阪,兵庫,愛知,岡山,福島,高知で各1人であった。

5月21日までに支払いがなかった場合,NHKは裁判所に財産差し押さえの手続きを申立てると通告したが,21日までに愛知県と岡山県の2人が滞納受信料を支払った。また期限を過ぎていたが,25日には高知県の対象者が支払いに応じた。

このため,NHKは残る5人について5月26日,それぞれの地域の裁判所に強制執行の申立て手続きをとったと発表した。受信料の滞納期間は54か月から 36か月,滞納額の最高は13万1,800円,最低は7万1,746円で,総額は48万5,858円となる。NHKが滞納受信料で強制執行の手続きを取ったのは初めてである。

(追記:NHKは6月3日,福島県の1人から支払いがあったと発表した)

奥田良胤