メディアフォーカス

共通のジャーナリスト教育へ ~英新聞・放送・出版業界が合意~

イギリスでは,新聞・放送・雑誌に就職する人々に対するジャーナリズム・スクールでの教育が,来年から同じシラバスによって行われることになり,その準備が進められている。新しい養成教育では,将来の職種を問わず,全員がビデオ撮影・編集・リポートなどの研修を受け,ウェブ・コンテンツの制作を学ぶことになる。

去年(2008年)の12月,全英ジャーナリスト養成協議会(the National Council for the Training of Journalists),放送ジャーナリズム養成協議会(the Broadcast Journalism Training Council)および定期刊行物養成協議会(the Periodicals Training Council)が全英編集者協会(the Society of Editors)と協議を行い,共同ジャーナリズム養成協議会(the Joint Journalism Training Council)を結成することで合意した。その背景には,融合によっていずれの業界でも業態が変化しているにもかかわらず,新採者たちのビデオ関連の諸技能やウェブ・コンテンツ制作技能が満足の行くものではないという現実があり,それらの技能を別のマン・パワーとして雇い入れたのでは,採算が取れないという事情がある。

上記の三協議会は,業種ごとの独自教育という従来方式を捨て,全業種共通の養成教育に切り替える方針を固めた。今春,それぞれの業界からの要求を確認したうえで,共通のシラバスを策定し,来年からは公認されたすべてのジャーナリズム・スクールで,新しいシラバスによる教育が実施される予定になっている。

横山 滋