イギリスの公共放送BBCは10月11日，2007年度から2013年度まで毎年小売物価指数（RPI）プラス2.3%の率で値上げする案を政府に申請し，視聴者に理解を求めた。

BBCは，2004年6月に発表した将来ビジョンに対し視聴者から高い期待が寄せられていること，受信許可料の支払いに関する調査でも，視聴者の81%が現行料金に満足し，40%が2倍以上支払う用意があるという調査結果を得ていること，また，政府によるBBCの将来に関するグリーン・ペーパーでもBBC を支持する方針が示されたことなどの背景から，今回の値上げの申請に踏み切った。

BBCの発表によると，ビジョンに示した公約を遂行するために2007年度からの7年間に合計55億ポンドの追加費用が生じる。このうち39億ポンドは業務の効率的運営や受信許可料徴収業務の改善などの自助努力でまかない，残りの16億ポンドと，政府がBBCに義務づけたデジタル普及促進費用を5億ポンドと見積もって，これを足した21億ポンドの資金を調達する必要がある，このため2.3%の値上げをしたいというのがBBCの説明である。これにはインフレは考慮されていない。

現行受信許可料は年額126.50ポンド（約25,300円）で，単純に2.3%の率で毎年値上げすると2013年度は150.50ポンドだが，値上げ期間のRPIを仮に平均2.5%と設定した場合，受信許可料は180ポンド（約36,000円）近くになる。BBCと政府の間で交渉が進められているが，RPIプラス1%で落ち着くのでは，という観測も伝えられている。