国内放送事情

米国ドラマの魅力を構造化すると

~「アグリー・ベティ」調査の特定分析~

近年、アメリカドラマが世界的に人気を集めてきた理由は、そこに時代の気分や、私たちが求めている生き方や暮らし方が描かれているという事実がある。

また、新しい人間関係のあり方や、生きがい、ひろくいえばアメリカドラマに表現されている人生観、世界観に世界の多くの人々が興味や関心を抱いているということだろう。「アグリー・ベティ」を具体例とする米国ドラマの魅力に関するインターネット調査の結果を用いて、「アグリー・ベティ」および米国ドラマ全般の「期待」「魅力」について、詳しく分析を行った。

「アグリー・ベティ」の具体的な魅力として考えられる39の項目を因子分析したところ、次の8つの因子が抽出された。内容を勘案してそれぞれの因子を「登場人物の魅力」「ストーリーの魅力」「アメリカ社会に触れられる」「ゲストの魅力」「主人公の魅力」「メキシコ文化に触れられる」「ファッション業界」「主人公が美人でない」と名付けた。その因子と各質問のクロス集計から、それぞれの因子の特徴を探った。

次に、面白いと思う米国ドラマ24番組と、「ストーリーの意外性」など10項目の日米ドラマ比較結果を用いてコレスポンデンス分析を行った。この結果、「デスパレートな妻たち」は「ストーリーの意外性」が、「名探偵モンク」は「役者のせりふ」が魅力となっていることが分かった。同様に「LOST」は「役者の演技」、「プリズン・ブレイク」は「謎や伏線が巧みに盛り込まれている」、「ザ・ホワイトハウス」は「ストーリーの展開の速さ」が人気の源泉と推測できる。

メディア研究部(メディア動向)
三浦   基
小林 憲一