「~ざるをえない」
2005.10.05
「行かざるおえない」と「行かざるをえない」のどちらが正しいのでしょうか。
「行かざるをえない」です。
解説
これは、知っている人にとっては「そんなことは当たり前だ」と感じることでしょう。しかし、放送の字幕でも間違いが見受けられることがあるようなので、今回あえて取りあげてみました。
「行かざるをえない」は、
○ 行かざる - を / 得(え)ない
というように成り立っています。「行かないということをできない」つまり「行かないわけにはいかない」という意味です。
しかし、このように分解せずに、
× 行かざる / おえない
という形で誤解してしまっている人がいるようです(この場合の「おえない」は、「負えない」あるいは「終えない」ということばだと解釈しているのでしょうか? よくわかりません)。
よく似たものとして、「しかたがない」という意味の「やむをえない(止(や)むを得(え)ない)」を、誤って「やむおえない」と書いてしまう例があります。
○ やむ - を / えない
× やむ / おえない
なお放送では、「土地を得る・地位を得る」などのように「実際に入手する」という場合には「得る」という漢字表記を用いますが、このように「~できる/できない」という意味の場合には、なるべくひらがな書きすることになっています。そのため「~ざるをえない」「やむをえない」という書き表し方になります。
「忙しいから間違えてもやむおえない」などと言わずに、ふだんから気を付けてみてください。