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最近気になる放送用語

眠い? 眠たい?

「眠い」と「眠たい」とは、どう違うのでしょうか。

これは難問ですね。しいて言うならば、「眠い」よりも「眠たい」のほうが実感がこもっている、となるでしょうか。

解説

まず、地域差について考えてみましょう。明治時代の資料に、東京では「ねむい」、上方では「ねぶたい」と言う、という記述があります(なお歴史的には「ねぶたい」のほうが古いことばです)。

この地域差は今でも残っているかもしれませんが、それでも「眠い」しか使わない、あるいは「眠たい・ねぶたい」しか使わない、という人は、現代ではあまり多くないと思います。何らかの使い分けがありそうです。

ここで、「~たい」という形のことばをいくつか集めてみましょう。

厚ぼったい、口はばったい、じれったい、腫れぼったい、やぼったい・・・

どれも、うっとうしいような「マイナスイメージ」を表すようなことばであることにお気づきでしょうか。

また、「眠い/眠たい」のように「~い/~たい」がペアになっていることばも、いくつかあります。

重い/重たい、煙い/煙たい・・・

「1円玉よりも10円玉のほうが[重い/重たい]」という文について考えてみると、この場合「重たい」は使いにくいのではないでしょうか。つまり事実としては10円玉のほうが重量があるけれども、それを「うっとうしいもの・いやなもの」と実感するほどのことはないから「重たい」は使いにくい、と言うことができそうです。

ここから、「眠たい」は「眠い」ことを非常にうっとうしいものとして実感した場合の言い方だ、と考えることができるでしょう。

こんなふうに想像をめぐらせていくと、「うざい」よりも「うざったい」のほうが、もっとうっとうしいのかもしれませんね。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)