最近気になる放送用語

「今年は西暦何年?」

1999年は、[~キュージュークネン][~キュージュウキューネン]のどちらでしょうか。

放送でふさわしいのは、[~キュージュウキューネン]でしょう。

解説

数字「9」には、[キュー][ク][ココノ]などの読みがあります。おおまかに言うと、[キュー]と読む場合がほとんどです。しかし、たとえば「9月」は[キューガツ]ではなく[クガツ]であるように、[ク]と読む例がときどきあります。[ココノ]は「9つ、9日」など、あまり多くありません。

「1999年」については、[~キューネン]と[クネン]のどちらでもよいのですが、1つの番組で両方が混ざって出てくると、「どちらが正しいんだ?」と聞いている人が混乱しかねません。百の位と十の位が[キュー]なのに一の位だけ[ク]だと不釣合いなので、[~キュージューキューネン]の方がふさわしいでしょう。

なお、「平成9年」は[~クネン]と読むことになっています。その理由は、[キューネン]としてしまうと、たとえば[キューネンドヨサン]が「9年度予算」なのか「旧年度予算」なのか区別がつかなくなってしまうからです。

このように数字の読み方は意外と複雑なので、『NHKことばのハンドブック(第2版)』(P.329~)や『NHK日本語発音アクセント辞典』(巻末P.63~)を参考にして放送に臨んでください。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)