ことばの研究

『NHK 日本語発音アクセント辞典』改訂 
調査結果にもとづく作業方針の検討

~アクセント辞典改訂専門委員会(第5回)から~

『日本語発音アクセント辞典』の「第5回アクセント辞典改訂専門委員会」が、2010年12月3日に開かれた。ここではその概要を報告する。

  • 会の冒頭で、アクセントの改訂方針に関する決定事項【辞典に掲載するのは「特定の地域を連想させ ない発音・アクセントであること(地域方言性[東京方言も含む]の排除)」「特定の年代を連想させない 発音・アクセントであること(若者アクセントおよび極端に古いアクセントの排除)」など】が再確認された。
  • 過去のアクセント辞典の改訂作業においては、アナウンサーを対象に調査した語の数が必ずしも多く はなく、改訂の論拠として他の辞典類の記述内容を参考にする割合が大きかった。しかし今回はアナウ ンサーを対象にした調査の結果がすでに大量に得られており、この結果を中心として改訂作業を進めた い。
  • 議論の土台を作るために、以下のような「仕分け」の案を提示した。 アナウンサーを対象にした音声聴取式調査(09年10~11月実施)の結果に関して、①②③の順序で適用する

【削除・採用ステージ】

①支持率10%未満のものは、削除せよ(掲載型が3パターン以上【次の「採用ステージ」で掲載予定のものも含む】のときには「20%未 満のものを削除せよ」)

②現在掲載されていないアクセント型で、支持率40%以上のものは、採用せよ

【順序決定ステージ】

③支持率に30%以上の差がある場合には、支持率の高いほうを第1アクセントとせよ差が30%未満の場合には、現行の掲載順序を踏襲せよ

⇒今回調査対象の6500アクセント型(3021項目)に関して、

①の手順により、434アクセント型が削除される(対象となるのは403項目)

②の手順により、493アクセント型が新規採用される(対象となるのは480項目)

③の手順により、942項目において順序変更がなされる

  • これに対して、多岐にわたる建設的・具体的な助言が各委員から寄せられた。

メディア研究部(放送用語) 塩田 雄大