放送現場の疑問・視聴者の疑問

「祭日」「祝祭日」という言い方は?

まもなく大型連休の時期を迎えますが、「みどりの日」や「憲法記念日」「こどもの日」などについて、「祝日」のほか「祭日」「祝祭日」などという言い方も時々耳にします。放送では、どのように言っているのでしょうか。   また、これまで「みどりの日」だった4月29日が「昭和の日」になるなど祝日について一部変更・改正がありましたが、これについても教えてください。

「国民の祝日に関する法律」で決められた「祝日」について、「祭日」「祝祭日」とは言いません。「祝日」または「国民の祝日」と言っています。  また、法律の改正で、これまで「みどりの日」とされていた4月29日は、ことしから「昭和の日」になり「みどりの日」は5月4日になりました。

解説

昭和23年(1948年)に「国民の祝日に関する法律」が制定され、それまで「祝日」と並んで使われていた「(大)祭日」は法律上なくなりました。法律用語辞典で「祭日」を引くと「皇室で祭事が行われる日。以前はその一部が休日や祝日となっていたが、昭和22年に皇室祭祀令が廃止され、現在は国法上の制度ではなくなった」(『有斐閣 法律用語辞典 第2版』)と記されています。「国民の祝日」とされる日は年間15日ありますが、これらの日について、今も「祭日」や「祝祭日」という言い方を聞いたり、「日曜・祭日休業(閉館・閉店)」などという表記を見かけたりします。しかし、放送では「国民の祝日に関する法律」で決められた祝日について「祭日」や「祝祭日」という言い方はせず、「祝日」あるいは「国民の祝日」と言っています。

また、昭和48年(1973年)から「『国民の祝日』が日曜日にあたるときは、その翌日は休日とする」ことになりましたが、このような場合の翌日の休日の呼び方は、「振り替え休日」と言っています。

祝日の変更や新たな制定については、平成元年(1989年)の祝日法の改正で、それまでの「天皇誕生日」の4月29日が「みどりの日」に、12月23日が「天皇誕生日」になりました。さらに平成17年(2005年)に、4月29日の「みどりの日」を「昭和の日」に、5月4日を「みどりの日」にする法案が国会で可決・成立し、ことし1月1日に施行されました。

「国民の祝日に関する法律」で決められた「祝日」は、以下のとおりです。

  • 元日       (1月1日)
  • 成人の日    (1月の第2月曜日)
  • 建国記念の日 (政令で定める日・2月11日)
  • 春分の日    (春分日・3月21日ごろ・ことしは3月21日)
  • 昭和の日    (4月29日)
  • 憲法記念日   (5月3日)
  • みどりの日   (5月4日)
  • こどもの日   (5月5日)
  • 海の日      (7月の第3月曜日)
  • 敬老の日    (9月の第3月曜日)
  • 秋分の日    (秋分日・9月23日ごろ・ことしは9月23日)
  • 体育の日    (10月の第2月曜日)
  • 文化の日     (11月3日)
  • 勤労感謝の日 (11月23日)
  • 天皇誕生日   (12月23日)

注意:「元日」「憲法記念日」「天皇誕生日」以外は、「建国記念の日」「勤労感謝の日」など、いずれも「の」が入ります。

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)