放送現場の疑問・視聴者の疑問

火山活動の「降灰」、読み方は「コーハイ」?、「コーカイ」?

この夏、鹿児島・桜島の火山活動が活発になり、“鹿児島市内に「降灰」”というニュースが伝えられていました。「降灰」を放送では[コーハイ]と読んでいましたが、正しくは[コーカイ]ではないでしょうか。

「降灰」には[コーカイ]と[コーハイ]の二とおりの読みがありますが、放送で使う場合は、耳で聞いてわかりやすい[コーハイ]にしています。

解説

確かに「灰」の音読みは[カイ]で、「降灰」の本来の読みは[コーカイ]です。国語辞書の多くも[コーカイ]の読みを主見出しにし、[コーハイ]とも読むなどとしています。しかし、耳で聞いた場合[コーハイ]のほうが聞き取りやすいことや、専門分野(地震・気象学術用語)での読みが[コーハイ]であることなどから、放送では[コーカイ]とは読まないようにしています。それでも、実際の放送にあたっては、「降灰」「降灰量」は、「(火山)灰が降る」「降った(火山)灰」「(火山)灰の量」というようになるべく言い替えるようにしています。

なお、火山の噴火による噴出物は、大きさによって「火山灰」「火山礫(れき)」「火山岩塊」に区分され、「火山灰」は直径2mm未満のものをいいます。

(改訂版気象ハンドブックP260ほか参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)