発掘ニュース

No.224

2019.03.01

音楽

歌手・加藤登紀子さん、発掘番組を語る!

今回の発掘番組提供者は歌手の加藤登紀子さん。この映像はご本人に提供いただいた1986年放送の『加藤登紀子ライブイン十勝』「わたしが一番最近レコードにした歌を聴いてください」とご自分で紹介したあと『百万本のバラ』を熱唱。かつてのソビエトでヒットした曲に自ら日本語訳をつけてカバーした曲です。加藤さんは1989年に、この曲で2度目の紅白歌合戦に出場しました。

「32年前の私、結構大人っぽいですよね!この頃の残っている映像は私の母が録っていてくれたものなんです。」

加藤登紀子さん『ひるまえほっと』(関東甲信越のみの放送)「発掘!お宝番組」に出演いただき、発掘番組の思い出を語っていただきました。


島 紗理リポーター 武内陶子アナウンサー        

武内アナ「先日、誕生日を迎えられたそうですね?」
加藤さん「25歳です(笑)、3回目の。人生を4幕のお芝居だとすると、4幕目の始まりなんです、人生100年として。」

1965年に東京大学在学中にデビューを飾った加藤登紀子さん。
「60年、私が高校のとき安保があって、大学に入ったんですがパッとしないというか面白くなくて、父が『人生面白くないといかん』と言ってシャンソンコンクールに申し込んで、それで突然歌手になったんです。

68年に大学を卒業しますが、(歌手の活動が忙しく3年間)ブランクになって学校に行っていないんです。6年かかって卒業、そのころ学生運動がすごくて東大で学生が卒業式をボイコットしたり。大きなムーブメントが起こり私の人生も変わったんです。」

さて、加藤さんから提供いただいた番組、続いては高知放送局制作の四国特集「お登紀と土佐のはちきん」(1983年放送)。負けん気が強い女性を指す土佐弁“はちきん”を名乗る女性グループが登紀子さんのコンサートを運営する様子を追ったドキュメンタリーです。

なんと!登紀子さん自身がステージでお酒を飲みながら歌います。さらにお客さんにもお酒が振舞われます。名付けて『ほろ酔いコンサート』

「高知で10年近く続いて、あまりにも過激なほろ酔いコンサートということで有名だったんです。女性だけが実行委員会を作っていて、今も“はちきん”の人たちは元気ですよ!」
武内アナ「ほろ酔いコンサートは今も続いているんですよね。普通のコンサートとは何か違いますか?」

「皆さんが勘違いしていなければ普通のコンサートです(笑)振る舞い酒が必ず出て、コンサートとしても十分味わえますが、飲みたい人は飲んで…私はステージの上で飲みたいだけ飲みます。」

46年続いている“ほろ酔いコンサート”、当初はほとんどのお客さんが男性でしたが、最近は7割が女性だとのことです。

こちらは1979年放送の『きょうの料理』。登紀子さんが自慢の肉団子の作り方を披露しています!お隣は広瀬久美子アナウンサー。

広瀬アナ「大きなお団子で!お嬢ちゃん、今おいくつでしたかしら?」
加藤さん「6歳と3歳で。一緒に団子を作るのも手伝ってくれたりするんです。」

広瀬アナ「本当に美味しいです!ふわーっとしてるのね、中が。」

そして試食の最中にまさかの展開!登紀子さんの右手が伸びた先にあるのはギター!

「河島英五さんが贈ってくださった曲なんです。河島さんとは、ほろ酔いコンサートを見に来たことがきっかけで出会ったんです。ちょうど私が2人子育てしながら、料理したり汗びっしょりかきながら仕事をしていたときに、この曲が届いて本当にグッときました。」

「きょうの料理のことはありありと覚えてるんです。私が一生懸命料理していたら、『すみません、少しゆっくりしてください』って言われて。母親って忙しいから早いんですよね。テレビで見てると皆さん手早くしているので、負けじと手早くしなきゃと思ったら『ちょっと早すぎます、カメラが追いつけませんから…』って(笑)」

「この料理は今も私が孫に作る得意料理です。すっごく手間がかかるんです。揚げてソースを作って煮込んで…私の特別料理“ばっぱの肉団子”。『ばっぱ』というのは孫たちが私のことをそう呼んでいるんです。…ちゃんと美味しいって言わないと私が許さないから『おいしい~』って言ってくれます(笑)」

そんな登紀子さんのお母さまが録画してくれたビデオテープ。
「『登紀子が出てる』って録ってくれるんです。その前にオペラやアポロの月面着陸が入ってたり…テープが残ってるからちょうどイイって、だから時系列がバラバラに録画されてるんです(笑)ありがたい“ばっぱ”です。」

そして…!

「『きょうの料理』でも歌った加藤登紀子ですから」…とギターを取り出した登紀子さん!
大喜びする武内アナと島リポーター。
「じゃあ1番だけ、今日の映像の中には無かった“知床旅情”を。」

『知床旅情』は加藤登紀子さんにとって…その素敵なエピソードが!

「私が大学の卒業式に会った男が、二人きりで会った最初のデートの夜に彼がこれを歌ってくれたんです。」

「夜空の下で、初めてのキスを交わした後で朗々と歌いだしたんです、藤本敏夫という人が。いまだにその歌を超えていないと思います、しびれました。

森繁久彌さんにお会いしたのはその後なんです…巡り巡って。 彼(のちに夫となる藤本さん)が『知床旅情』を好きだったということが凄いことでした。」

『知床旅情』にそんな素敵なエピソードがあったなんて!貴重なお話、そして映像を本当にありがとうございました!

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