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「好き」は、最強

  • 2022年4月1日
 

3年間、休学しました

僕は大学を3年間休学していたので、就職活動をはじめたのは、これは勝手に言っていますが、大学7年生のときです。 3年間の休学はきっと就活にはネックになるだろうなと思っていましたが、実際はそんなことはありませんでした。逆に、休学していた3年間でがむしゃらにやったことに面接官の人たちは興味をもってくれました。 大学を休学してまでも、自分の好きなこと、やりたいことを貫いたこと。それは、今のアナウンサーとしての仕事にも役立っています。

一生の仕事にしたかった

京都の大学に通っていて、そこで僕が出会ったのは人力車です。お客さんを乗せて京都の街や神社仏閣を案内する。祖父の影響で歴史が好きだったこともあり、京都の街を案内しながらお客さんをもてなすことに本当に喜びを感じていました。
そして、大学を休学して本格的に車夫になるために東京の浅草へ。大学まで行かせたのに勝手なことをやっている息子を見て、両親は悲しんでいたと思います。でも僕は人力車を一生の仕事にしようかな…と考えていました。
ところが、自分が憧れていた先輩が次々と車夫を辞めてしまった。やはり足腰にとても負担のかかる仕事で、自分にはこの仕事を一生続けるのは無理そうだと分かり、復学。就職活動をはじめたのはそのころで、まず考えたのは人力車に近い仕事って何だろう?ということです。

汗が滝のようにでる真夏の人力車(2018年)

車夫とアナウンサー

人力車はお客さんを乗せて、ガイドしながらその土地の魅力を伝えるのが仕事です。
中継でアナウンサーがその土地の魅力や特産品を紹介しているのを見て、これって人力車はひかないけどやっていることは車夫と同じだ!と。人力車の場合は目の前にお客さんがいますが、アナウンサーの場合は目の前にカメラがある。その違いだけで、ガイドしながら楽しませることは同じじゃないか。アナウンサーならもしかすると車夫として培ってきたことが生かせるかもしれないと考えアナウンサー試験を受けることにしました。

人力車で浅草界隈をご案内中(2018年)
浅草寺の魅力をガイド中(2018年)

寄り道をチカラに

面接で僕が熱量をもって話せることは人力車のことだけでした。人力車については、どんなところが魅力で、どれほど自分が好なのかを、さまざまなエピソードを交えて何時間でも話すことができました。
NHKの面接では、時事問題についての質問などにはうまく答えることができませんでしたが、どれだけ人力車の仕事が好きだったかについては熱弁できたし、面接官の人たちも興味深く聞いてくれました。あとは、僕がどういう人間なのか?という人柄についても興味を示してくれたのが印象的でした。
3年間の休学という大きな寄り道をしましたが、内定をもらったときは、それが間違いではなかったと肯定されたようでうれしかったです。そして、僕以上に両親が喜んでくれました。

隅田川沿いを全力で走る(入局直前)

とことん夢中になれることを

今、NHKに入局できて本当に良かったと思っています。人力車だけでなく、歴史、宇宙、サウナなど、自分が好きなこと、興味のあることが仕事につながっています。
今後の目標はステージ司会です。人力車時代から目の前の人を楽しませるのが好きだったので、目の前にお客さんがいるという環境で仕事をやってみたいと思っています。
学生のみなさんには、自分が好きなことや好きなものを追求してほしい。自由な時間がある学生時代を自分が本当に夢中になれることを集中してやってください。アナウンサーにまったく関係のないことであっても、何らかのカタチでいつか仕事に生かせるのがNHKのアナウンサーだと思います。

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