NHKスペシャル

巨龍中国 1億 大移動
流転する農民工

世界最大13.7億の人口を抱え、世界第2位の経済大国となった中国。安価な労働力として“世界の工場”を支えてきたのが、豊かさを求め農村から大都市へ流入した、3億人近くの農民工だった。しかし経済成長が陰りを見せた今、大都市ではなく、農村地帯が広がる内陸部に人口を吸収させる、壮大な国家プロジェクトが始まっている。習近平政権が打ち出した「新型都市化計画」。内陸部の中小都市への人口移動によって、大陸全体の均衡ある発展と、新たな消費経済の構築を目指す、いわば“大陸改造計画”だ。その一環として、いま大都市では、1億人の農民工が暮らす居住区が、再開発のため次々と取り壊されている。中国はどこに向かうのか。大移動を迫られる農民工を通して、変貌する中国の行方に迫る。