NHKスペシャル

日本の群像 再起への20年 第5回 どうしたら買ってくれるのか
~巨大スーパーの模索~

戦後、日本人を物質的に豊かにしてきた総合スーパー。しかしバブル期の多角化と崩壊後のデフレ不況の中、ダイエーなど大手各社の経営は次々と行き詰まった。そうした厳しい状況の中で、踏み止まってきたのが、売上高、業界第2位の総合スーパー、イトーヨーカドーである。
日本の総合スーパーは、アメリカのスーパーマーケットの大量販売をもとにスタート。“安さ”を武器に急成長するが、バブル期に進めた多角化の失敗や崩壊後の収益の悪化によって、経営は行き詰まる。さらに21世紀の幕開けとともに、日本市場に進出してきた外資系スーパーの破格の安売り戦略は、関係者に衝撃を与えた。
こうした中、イトーヨーカドーは、安売りとは一線を画し、小売りが主体となった商品開発など、独自の戦略に力を注ぎ続ける。その源は、鈴木会長の下、長年続けられてきた『業務改革』にある。
日本経済の激動期、大手スーパーの誤算はどこにあったのか。そして、イトーヨーカドーが、その間、進めてきた差別化戦略とは何だったのか。番組では、鈴木敏文会長の下で続けられてきた『業務改革』の歴史と、現在の改革の現場を追うことで、物が売れない時代の中、格闘する巨大スーパーの人々の姿を見ていく。

  • 手話を交えたあいさつの練習風景
    (イトーヨーカドー三郷店)
  • セブン&アイ・ホールディングス・鈴木敏文会長