川崎駅周辺に防犯カメラ100台設置 治安のイメージアップめざし
- 2023年3月30日
川崎市は3月、JR川崎駅周辺に防犯カメラ100台を設置しました。川崎市によりますと、犯罪抑止とともに、治安面で町のイメージアップを図るのが狙いです。
川崎市の治安は?!
防犯カメラ設置を市が決めたのは、治安面で、街のイメージが良くないから、というものでした。川崎市の治安は、実際はどうなのでしょうか?令和2年度、市内の刑法犯認知件数(※市内の警察署管内で発生した犯罪を認知した件数)は人口1000人あたり4.1件。この数、実は政令指定都市と東京23区の中で3番目に低い数字です。しかし、川崎市ではイメージ調査などからも町には「治安が良くない」イメージがあるとして、そのイメージの払拭と、犯罪の抑止効果を狙って防犯カメラの設置を決めたと言います。
駅周辺に100台の防犯カメラ
警察署の協力も得て、市が設置した「防犯カメラ」は、JR川崎駅の東口・川崎区側に70台、西口側・幸区側に30台の、あわせて100台です。
3月24日、川崎市の福田紀彦市長と、川崎警察署の鈴木達也署長が現地を視察。映像の映り具合などを確かめていました。
市全体で見ると犯罪の認知件数は非常に少ないが、川崎駅周辺は犯罪が起きているところはありますし、”体感治安”という意味で、市民のみなさんが怖がっている部分がありますので、警察の指導を仰ぎながらここを徹底的に行うことで全国で最も安心な町になると思います
防犯カメラには、2週間分の映像が常時記録されるということです。警察から映像提供を求められたときや、災害発生時に状況を確認の際に、市役所のパソコンから映像を取り込んで見るということです。
これら100台の防犯カメラに加え、川崎駅周辺の商店街には、地元の商店街の組合が設置した防犯カメラが140台以上あるといいます。
防犯カメラは犯罪捜査や、行方不明の捜索、それに犯罪抑止効果が最大のメリットなので、警察としてもうまく活用できるようデータの提供等を行っていきたいです
一方、地元の川崎駅前仲見世通商店街振興組合でも、防犯カメラの設置を歓迎していました。
商店街でも、これまで自主的に防犯カメラの設置を行ってきました。呼び込みなどでお客さんに迷惑かけたり、事件に発展したりするケースがあるので、”商店街には目がある、川崎には目がある”と知ってもらうことが、犯罪の抑止につながると思います
プライバシーは大丈夫?
安全な街作りは誰もが望むところではありますが、一方で、プライバシーの問題はどうなるのか気になります。
市によりますと、防犯カメラのそばには常に「防犯カメラ作動中」と表示されていて、カメラは主に、公道に向けて設置されているため、個人宅などは映らないといいます。
また常に映像を監視するのではなく、災害時や警察からの要求があった場合だけ、セキュリティの高いネットワークを利用して防犯カメラから映像を取り込み、市役所にある専用のパソコンで見られるようにするということです。
取得した情報の取り扱いについても、利用目的を超えた画像の利用をしないことなどを定めた「指針」を策定していて、警察への映像提供も公文書でやりとりをした上で捜査に必要な情報だけを提供するとしています。
個人情報が乱用されないようにというのは注意していきたい
防犯カメラの設置 他の自治体では
自治体による防犯カメラの設置をめぐっては、千葉県市川市が平成17年ごろから100台規模の防犯カメラを設置して、その後も各地の自治体で設置が行われています。市川市では現在は、公道や公園を中心におよそ300台の防犯カメラが設置されています。
一方その効果について市川市は、「数値的な結果は明らかになってないが、市民の体感治安は向上したのではないか」としています。
効果の検証も
川崎市は、今後、刑法犯認知件数や、捜査協力件数、都市イメージ調査などを年ごとに比較して、
効果の検証を行うとしています。100台もの防犯カメラの設置が、今後、街にどのような影響をもたらすのか、引き続き注目したいと思います。