初心者でも気軽にキャンプを楽しめるスポットが、埼玉県ときがわ町にあります。 民家の庭でテント泊ができ、必要な時には家の中の施設も使える「キャンプ民泊」という新しい体験。 東京都内から移り住み、この場所を作った夫婦に、話を聞きました。
(さいたま局キャスター 齋藤恵梨)
アウトドア用品を扱うお店を経営している青木達也さんと妻の江梨子さんです。 4年前、都内からときがわ町に移住しました。
会社員として多忙な毎日を過ごしてきた2人。キャンプが大好きな江梨子さんの提案で、自然豊かな町に移り住むことを決めました。
大きな観光地はありませんが、頑張っているお店がたくさんあって、可愛らしい山とか川とか、移住初心者でも住めるかもと思いました。
去年10月に“暮らしとアウトドア”をテーマにしたお店をオープン。
地域の作家と、伝統産業である木材加工品を作ったり、地元の酒蔵とコラボした甘酒を作って販売したりしています。
店内には、およそ50種類のキャンプグッズが並んでいます。
これからキャンプを始める方向けの施設もやっています。
「キャンプ民泊」の施設です。
店から徒歩4分ほどのところにある一軒家。
「キャンプ民泊」は、2人が考えた新しい形のキャンプ体験です。
民家の庭でテントに泊まることができ、必要な時には家の中の施設も使えます。
4年前にオープンし、初心者にとってハードルが高いキャンプのイロハを教え続けて、これまでに500人ほどがキャンプを楽しみました。
室内にはキャンプの道具がずらりと並んでいます。 実際に試すこともできて、その人に合った道具の提案もしてくれます。
道具のレンタルだけでなく、トイレやシャワールームもあります。衛生面が心配な人や、周りの目が気になるという人も安心して利用できます。
今回は、キャンプで使うタープの設営と、たき火のやり方やマナーを学びます。
タープとは、日差しや雨をしのぐための大きな布のことです。
ポールの立て方など手順を教えてもらいます。
指導を受け、20分ほどで完成しました。
次はたき火です。
タープやテントから2、3メートルくらい離れたところで火を起こすようにしてください。
たき火をするときには、着火台の下に防火シートを敷き、水の入ったバケツも用意。 まき割りも自分たちで行います。 慣れないマッチに苦戦しながら、火をつけることができました。
最後のお楽しみは、焼きマシュマロ。自分でやってみた“たき火”だからこそ、美味しく感じられました。
キャンプ体験の後は、2人のおすすめの場所に案内してもらいました。
施設から歩いて10分ほどの場所にある「三波(さんば)渓谷」。
流れが穏やかで浅い川なので、子どもも安心して遊ぶことができます。
ときがわの風景にほれ込んだ2人は、町を盛り上げようと新たな取り組みを始めています。
「ときがわアウトドア協議会」を立ち上げて、「ハンモックフェス」を開催。
ときがわ町の自然の中で、ハンモックを楽しもうというイベント。地元の人たちと一緒に企画し、町と観光協会の後押しもあって、県内外から150人が参加しました。
青木達也さん
「人から始まって町の風景が変わっていけばいいなと思っています。面白いからやってみようと言ってくれる人もいるので、そういう人の魅力はあるかなと思う」
青木江梨子さん
「ときがわ町がアウトドア・タウンとして知られていったら幸せです」
青木さん夫婦は、ほかにもゴミ拾いの取り組みもしています。
町内の山に登って、仲間たちと一緒にごみを拾いました。前の日までに、町の人たちが掘り出した分と合わせて、たくさんのゴミがあったそうです。
青木さん夫婦は、ときがわの自然を守り、その良さを伝えていきたいと話していました。