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  • 2024年5月7日

新紙幣への対応進む ATMに券売機 レジや精算機など進捗状況は?

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2024年7月3日に発行が始まる新紙幣。
20年ぶりとなる新たな紙幣の発行まで2か月を切っています。

企業の間では新紙幣に対応するため、精算機などのシステムを更新する作業が進められています。

金融機関のATMや鉄道会社の券売機、それに大手コンビニやスーパーのレジ、コインパーキングの精算機などは、発行開始までにどの程度、更新などが完了する見通しなのか、まとめました。

新紙幣への対応準備進む

新紙幣の発行はことし(2024年)7月3日に始まります。

▼一万円札は「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、▼五千円札は日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ津田梅子、▼千円札は破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎の肖像がデザインされます。

紙幣のデザインの変更は2004年以来、20年ぶりで▼偽造防止の強化と▼誰でも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の導入が目的です。

新紙幣の発行まであと2か月を切るなか、企業や個人事業者の間では新紙幣に対応するため、精算機や券売機の買い替えやシステムの更新作業が進められています。

財務省によりますと、発行開始までに▼金融機関のATMは9割以上、▼鉄道会社の券売機、大手コンビニやスーパーのレジは8割から9割で更新などが完了する見通しだということです。

財務省が決済システムのメーカーなどでつくる「日本自動販売システム機械工業会」に聞き取りを行った結果、新紙幣に対応するための設備投資による経済効果は、およそ5000億円に上ると試算されています。

都内のコインパーキングでは・・・

東京・大田区で駐車場を有料で貸し出す「コインパーキング」をおよそ70か所運営する会社は、新紙幣に対応するため自動精算機の更新作業を進めています。

会社によりますと、自動精算機の紙幣を識別する装置を交換するなどの更新費用はすべてのコインパーキングであわせておよそ200万円に上るということです。

一方で、この会社はことし1月、キャッシュレス決済だけに対応するコインパーキングを新たに開設しました。

利用者はスマートフォンでQRコードを読み取り専用のサイトからクレジットカードや電子マネーで決済を行うため、自動精算機を設置する必要がなくなるなど、これまでより開設の費用をおよそ100万円減らすことができたといいます。

この会社では、利用者の反応をみながらほかのコインパーキングでもキャッシュレス決済だけの対応に切り替えることも検討したいとしています。

コインパーキングを運営する「ミノラス不動産」 石川英嗣社長
「キャッシュレス決済だと初期投資の費用があまりかからないというのがメリットです。キャッシュレス決済だけに対応するコインパーキングは今後、増えていくと感じています」

この運営会社にキャッシュレス決済のシステムを提供する会社によりますと、新紙幣の発行を前に、新たに開設するコインパーキングをキャッシュレス決済だけの対応にするケースはほかにも出ているということです。

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