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衆議院東京15区補欠選挙2024年 開票結果や投票率は 投開票4月28日

  • 2024年4月30日

衆議院東京15区の補欠選挙は、立憲民主党の新人の酒井菜摘氏が初めての当選を果たしました。前の法務副大臣が公職選挙法違反の罪に問われ、衆議院議員を辞職したことに伴うこの選挙では、過去最多となる9人が立候補しました。一方、投票率は過去最低でした。NHKの出口調査の結果などとあわせてまとめました。

衆議院東京15区補欠選挙

東京15区の補欠選挙の開票結果です。立憲民主党の新人の酒井氏が、自民党が候補者の擁立を見送り、過去最多の9人の争いとなる中、日本維新の会や無所属の新人などほかの候補者を抑えて、初めての当選を果たしました。

衆議院 東京15区 補欠選挙 23時10分確定
 酒井菜摘氏(立民・新)49476票。
 須藤元気氏(無所属・新)29669票。
 金澤結衣氏(維新・新)28461票。
 飯山陽氏(諸派・新)24264票。
 乙武洋匡氏(無所属・新)19655票。
 吉川里奈氏(参政・新)8639票。
 秋元司氏(無所属・元)8061票。
 福永活也氏(諸派・新)1410票。
 根本良輔氏(諸派・新)1110票。

初当選 酒井氏の声

酒井氏は37歳。看護師や助産師として働いた後、江東区議会議員を務め、去年(2023年)12月、2期目の途中で区長選挙に立候補しました。

今回の補欠選挙は、自民党の柿沢未途前法務副大臣が去年(2023年)4月の江東区長選挙をめぐる選挙違反事件で議員を辞職したことにともなって行われ、酒井氏は、区議会議員としての経験や助産師としての専門性を強調し、子育て支援の拡充やクリーンな政治の実現を訴えました。

酒井菜摘氏
「利権や金ではなく国民の声を受け止めて動く、信頼のできるまっとうな政治を訴えてきて、有権者に一定の理解をいただけたと受け止めています。政治資金規正法の改正などが重要なテーマになると思いますが、助産師の専門性を生かして、子育て支援や障害者政策、社会保障制度改革など人に優しい政治を進めていきたい」

NHKの出口調査

NHKは、28日、有権者の投票行動や政治意識を探るため、出口調査を行いました。調査は14の投票所で投票を終えた有権者1793人を対象に行い、62.2%にあたる1115人から回答を得ました。
一方、27日までに有権者のおよそ13%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査結果に含まれていません。

出口調査 支持政党について

ふだん支持している政党について尋ねたところ、▼自民党が24%、▼立憲民主党が11%、▼日本維新の会が8%、▼公明党が3%、▼共産党が3%、▼国民民主党が2%、▼れいわ新選組が1%、▼参政党が1%、▼地域政党の都民ファーストの会が1%、▼その他の政党・団体が2%、▼特に支持している政党はない、いわゆる無党派層が43%でした。

立憲民主党の新人、酒井さんは、▼立憲民主党の支持層の80%あまり、▼共産党の支持層の70%台半ば、▼自民党の支持層の10%あまり、▼日本維新の会の支持層のおよそ10%、▼無党派層の30%あまりから支持を得ました。

無所属の新人、須藤さんは、▼自民党の支持層のおよそ20%、▼公明党の支持層の20%台半ば、▼無党派層の20%あまりから支持を得ました。

日本維新の会の新人、金澤さんは、▼日本維新の会の支持層の70%あまり、▼自民党の支持層のおよそ20%、▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

無所属の新人、乙武さんは、▼自民党の支持層の10%あまり、▼公明党の支持層の50%台半ば、▼国民民主党の支持層の40%台半ば、▼都民ファーストの会の支持層の30%台半ば、▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

諸派の新人、飯山さんは、▼自民党の支持層の10%台半ば、▼無党派層の10%台半ばから支持を得ました。

出口調査 政治とカネについて

投票する際に「政治とカネ」の問題を考慮したかどうか尋ねたところ、
▼「考慮した」が76%、▽「考慮しなかった」が24%でした。

▼「考慮した」と答えた人の30%台半ばが酒井さんに投票したと答えました。

出口調査 岸田内閣について

岸田内閣を支持するかどうか尋ねたところ、
▼「支持する」が27%、▽「支持しない」が73%でした。

▼「支持する」と答えた人の20%あまりが金澤さんに、また、酒井さん、須藤さん、乙武さんに、それぞれ10%台後半の人が投票したと答えました。
▽一方、「支持しない」と答えた人の30%台半ばが酒井さんに、10%台後半が須藤さんに投票したと答えました。

投票率は過去最低のなぜ

衆議院東京15区の選挙は、江東区からなる今の選挙区になってからこれまでに総選挙が9回、補欠選挙が1回行われています。
このうち、投票率が最も高かったのは平成21年の選挙で、67.25%でした。一方、最も低かったのは平成29年の55.59%でした。平成26年以降は50%台後半で推移していて、前回・令和3年の選挙は58.73%でした。

江東区選挙管理委員会によりますと、今回の衆議院東京15区の補欠選挙の投票率は、40.70%で、前回・3年前の選挙を18.03ポイント下回りました。

総務省によりますと、近年、衆議院の補欠選挙の投票率は、総選挙より低くなる傾向があるということです。

▼平成28年の東京10区の補欠選挙…34.85%(その2年前の総選挙比ー18.71ポイント)
▼平成15年の東京6区の補欠選挙…40.63%(その3年前の総選挙比ー17.63ポイント)

江東区では、地元の国会議員や区長が相次いで立件される事態となり、政党関係者の中からは
「政治とカネの問題で有権者が何度も裏切られる中、候補者の訴えや政策に希望を持たれなかったことも、投票率が低い一因になったのではないか」という見方もあります。

東京15区など3つの補欠選挙の結果は 

東京15区では地元選出の衆議院議員が2人連続で逮捕されたほか、前の江東区長も公職選挙法違反の買収などの罪に問われ、国会議員や区長が相次いで立件される異例の事態となる中、選挙戦では、▽政治への信頼回復や▽経済政策などを中心に論戦が交わされてきました。

4月28日に投票が行われた衆議院の東京15区、島根1区、長崎3区の3つの補欠選挙はいずれも立憲民主党が勝利し、自民党は候補者擁立を見送った選挙区を含め議席を失いました。

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