ひるまえほっと

  • 2024年4月18日

2つの家族が守る“復活の湯” ~東京 荒川区~ #いいお湯見つけました

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各地のすてきな温泉や銭湯を発掘するコーナー「#いいお湯見つけました」。 
今回訪ねたのは、東京荒川区にある、創業108年の銭湯。 
実は、1年間の休業を経て、去年復活したばかりです。 
その背景には、2つの家族の物語がありました。

(ひるまえほっと リポーター/ディレクター 丹友美)

昭和にタイムスリップ!創業108年の銭湯

東京・東日暮里(ひがしにっぽり)にある、創業108年の銭湯。

昭和の面影が残る脱衣場や浴室。まるでタイムスリップしたかのようです。

昔から熱い湯が自慢で、多くのお客さんを魅了してきました。

銭湯を残したい!創業家の6代目 
甚五與司直(じんご・よしなお)さん

銭湯の6代目、甚五與司直(じんご・よしなお)さん。 
祖父、祖母、父、叔母と、代々家族で銭湯を守ってきました。

甚五さん

祖父母に『将来やりなさいよ』みたいなことをずっと言われていたんで。残しておきたいっていうのがありまして。

甚五さんが銭湯を継ぐきっかけになったできごとがありました。 
2年前、先代の叔母が突然亡くなり、銭湯は休業。廃業の危機に陥ったのです。 
「家族の思い出が詰まった銭湯を残したい」 
甚五さんは再開に向けて、親族を説得して回っていました。

銭湯を支える!番頭家族の2代目 
石田綾子(いしだ・あやこ)さん

甚五さんを後押しした人が。 
番頭の石田綾子(いしだ・あやこ)さんです。2人は幼なじみ。

 

幼なじみ。赤ちゃんのときから知っていますから。

綾子さんは、生まれた時からこの銭湯で育ちました。 
脱衣かごがゆりかご代わりだったといいます。

綾子さん

父の代から住み込みで働かせていただいて、父が前番頭。

番頭は、銭湯全体の管理を任されています。

☆自慢のお湯を体験♪

丹 
リポーター

おー、ちょっと、熱い!

 

 

ありがとうございます。

お湯は45度。この湯加減が、創業当時から地元で愛されてきました。

☆人気のお湯の秘密は?

お湯は今も薪で沸かしています。火を焚(た)くのは、なんと綾子さん!

温度管理は自分の感覚が頼り。 
何度も釜場と浴室を往復し、お湯の温度を確かめます。

 

心配性なので、10分から15分ぐらいで、釜の様子を見ながら、チェックしに来ています。

こうした技術は、“釜じい”と呼ばれ、みんなから慕われてきた父の勇(いさむ)さん(83)から受け継ぎました。番頭を継いで奮闘する綾子さんを、勇さんは見守ってきました。

 

綾子さんが継ぐことに不安はなかったですか?

勇さん

いやぁ、俺の子だから何とかなるさ。

 

休業中も石田さん家族は、釜を冷やすと、再び湯を沸かすことができなくなるため、2日に1度、釜に火を入れ続けてきました。

 

また銭湯が開いたときに、お客さんが帰って戻ってきてくれたときに、『昔のまんまじゃん』っていう顔を見たいなっていう。

作業を続ける中で、「銭湯が再開できるなら、自分が番頭を継ごう」という決意を、創業家の甚五さんに伝えました。

 

やってくれるならやろうと。やってくれる人がいなかったら、絶対ここはできないんで、綾ちゃんが『やる』って言ったからじゃあやろうかと。

その綾子さんの覚悟が決め手となり、去年4月、営業再開。 
創業家と番頭家族、2つの家族の協力で、銭湯を復活させたのです。

2つの家族が守る湯に、いざ 入湯!

綾子さんが井戸水を薪で沸かしたお湯は、45度と熱め。熱い湯で疲れを癒します。

熱いお湯がたまらない♪

お客さん 
「ほかに入れないね。癖になっちゃうんだよ」

お客さん 
「熱いですけど、出てからもポカポカが続くんで」

銭湯の第2章は、始まったばかり

 

覚悟っていうよりやるしかない!それだけですね。

 

サウナも水風呂もない銭湯なんですけど、もうここまで来たらこれを守り抜く!

 

まぁ、ボチボチやればええ。

 

あなたの街の「#いいお湯」を教えてください。 
お気に入りの銭湯や温泉など、思い出やエピソードを添えてぜひお寄せください。 
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【編集後記】 
昭和のノスタルジックな雰囲気が漂う銭湯。 
見た目だけでなく、番頭家族が代々受け継いできた熱いお湯が心も熱くしてくれます。 
石田さんが井戸水を薪で沸かすお湯は、肌触りがとてもなめらかで高温なのにピリつきが全くなく、熱さがじんわり体にしみいっていきます。初めての感覚に驚きました。 
創業家とそれ以上にこの銭湯を知る番頭家族が、昔ながらに家族ぐるみで支え続ける銭湯の姿も、これからもぜひ守り続けてほしいと思いました。 

リポーター 丹友美

ひるまえほっと 
2024年4月18日(木)[総合]午前11:30~ 
>NHKプラスの「見逃し配信」はこちらから(放送から1週間ご視聴いただけます)

<ご紹介した銭湯>
『帝国湯(ていこくゆ)』 
住所:東京都荒川区東日暮里3-22-3 
営業時間:午後3時~午後10時 
定休日:月曜(月に1日、火曜も)

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