※2023年11月20日に記事を更新しました。
千葉県市川市のごみ焼却施設で、焼却炉の一部が約1か月にわたって停止しています。
市は市民にごみをできるだけ減らすよう呼びかけていますが、今後の市民生活への影響はないのか、復旧の見通しなどについてお伝えします。
(千葉放送局記者・渡辺佑捺、金子ひとみ)
市川市でごみの減量が呼びかけられてるって聞いたけど、何があったの?
市川市の唯一のごみ焼却施設「市川市クリーンセンター」で、10月18日に焼却炉3基のうち2基が突然、緊急停止したの。
当時、残り1基は点検中だったから、しばらく3基とも稼働していない状態になってしまったんだよ。
突然だったんだね。どうして緊急停止したの?
原因はまだ分かってないみたいなの。緊急停止の10日後から、点検中だった1基を稼働させて、一部のごみは処理できるようになっているよ。
焼却炉の復旧はどうなりそうなの?
11月20日の田中市長の記者会見で、おおむね修理が完了し、早ければ今週末にも通常の処理能力を確保できる見通しになったことを明らかにしたよ。
ただ、停止した原因は分かっていなくて、市は有識者による調査を進め、来年2月までに調査結果を公表するとしているよ。
田中甲 市長(11月20日の記者会見で)
「市民に大変心配をかけた。老朽化が進む施設の建て替えの計画を進めているので、原因の調査とともに適切に対応していきたい」
ごみの回収はいつも通り行われてきたみたいだけど、焼却炉が停止している間、ごみはちゃんと処理されていたの?
最初はごみを処理しきれなくて、「市川市クリーンセンター」の敷地内の仮置き場に積み上げられていたの。周囲では異臭も漂っていたよ。
野ざらしのところに置いておいたら、そうなってしまうよね。まだ処理は進んでいないの?
稼働させた焼却炉1基だけでは回収したごみを全部は処理できないので、近隣の千葉市や浦安市、それに民間の処分場に処理を委託しているの。
その結果、仮置き場に積まれていたごみは11月9日にはすべて搬出されたみたいだよ。これからも回収は、いつも通り行っていくとしているよ。
ほかの自治体や民間に処理を委託すると、お金がかかるんじゃないの?
ここからは私が説明します。
市川市は、11月9日までにかかった処理の委託費などあわせて1億7000万円あまりは、初期対応にかかった費用として予備費から支出していたの。
しかし問題が長引いていることもあって、市は、11月10日以降の処理の委託費と、焼却炉の修理などを行う費用を盛り込んだ総額4億円あまりの補正予算を組んで、市長の「専決処分」で決定したんだよ。
「専決処分」ってなに?
地方自治法で定められている制度で、本来は議会で議決しなければならない案件だけど、特に緊急を要するため議会を招集する時間の余裕がない時に、市長が決定することができるんだよ。
市長は後ほど議会に報告し、承認を得る必要があるとされているよ。
特に緊急の案件だったということだね。回収されたあとのごみがどうなっているのか、ふだんはあまり考えることがないけど、とても大事なことだよね。