みなさん、こんにチバ!NHK千葉のディレクター安住です。
「あさイチ」で地域の魅力を伝えるコーナー「愛でたいnippon」では千葉を特集しました。
千葉県南部の館山市では、いま“ある動物の革製品”が盛んにつくられ、話題に。
あさイチのマスコットキャラクター「とりっぷさん」と一緒にその理由を探りました。
(10月19日(木)に放送した番組は、NHKプラスで放送後1週間まで見逃し配信をしています)
10月19日(木)に放送した番組は、NHKプラスで放送後1週間まで見逃し配信をしています!(配信は10月26日(木) 午前9:54 までです)
訪ねたのは千葉県館山市。
ここにこの秋、オープンした革製品の工房があるんです。
工房を開いたのは、革職人の大阪谷未久(おおさかだに・みく)さん。
こちらでは大阪谷さんの作った製品が並んでいます。
ブックカバーに名刺入れなど10種類以上。その特徴がどれもさわり心地がいいこと!
製品に使われる革を触らせてもらったところ、吸いつくような柔らかさ!
実はこの革、最高級の鹿革で“革のシルク”とも呼ばれているんだそう。
大阪谷さん、一体どんな鹿なんでしょうか?
はい、こちらは「キョン」という外来生物なんです。いま、千葉では急激に繁殖して大問題になっているんです。
キョンは中国原産の特定外来生物。
千葉では観光施設から逃げ出して増えているといわれていますが、その繁殖力の高さから、今では千葉県内で推計7万頭にまで急増しているといいます。
農作物への被害や、生態系に与える深刻な影響から、千葉では根絶を目指して駆除が進んでいます。
大阪谷さんたち革職人のみなさんが製品をつくるのも、そうした背景からなんです。
大阪谷さんは、10年ほど前から、南房総市の農家の皆さんの手伝いを行っています。
そこで年々広がる野生動物による農作物への被害を目の当たりにして、自分でも何かしたいと、とった動物の革を使って千葉の現状を広めることにしたんです。
大阪谷さんの作った製品は千葉県のふるさと納税の返礼品になっていて、寄付金の一部はキョンの捕獲費用に充てられる予定だといいます。
また、大阪谷さん自身も製品の売り上げの一部を農家の被害の補償にあてたいと考えているそうです。
人間の都合で増えて、とられることになった命なので、無駄にしたくないという思いがあります。ただ農業や生態系を変えることが懸念される生物なので、駆除を進めなければいけない現状があり、そうした背景を、革製品を通して伝えていきたいと思っています。
キョンの革製品を通して、獣害や外来生物など地域の課題を解決できるといいなと思います。ひとりで取組むには難しい問題ですので、革製品を通して多くの人に現状を広め、一緒に考えていけたらと思います。
千葉で話題になっている革製品の背景には、外来生物の急増と、その解決へと動く革職人さんの取り組みがあったんですね。
2023年10月19日(木)に放送された、あさイチ「愛でたいnippon 世界がビックリ メイド・イン千葉」は、NHKプラスの見逃し配信で10月26日(木)午前9:54 まで、ご覧いただけます。
見逃し配信はこちらから。
また、あさイチの詳しい情報は、こちらのホームページから。