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新型コロナ インフルエンザ ツツガムシ 感染症流行状況は 千葉

  • 2023年01月13日

県内ではこの1か月、つつが虫病、レジオネラ菌によってそれぞれ亡くなった方がいました。また、3シーズンぶりにインフルエンザが流行期入りしているほか、新型コロナでは12日、これまでで最も多い29人が亡くなったことが発表されました。
県内の感染症の流行状況をまとめてお伝えします。

(千葉放送局記者 金子ひとみ)

「つつが虫病」初の死者

ツツガムシ(千葉県衛生研究所HPより)
ラッカ星人

「つつが虫病」に感染して亡くなった方がいるというニュースに驚いたよ

金子記者

そうなんです。船橋市によりますと、市内に住む70代の男性が、2022年12月10日以降、のどの痛みや発熱のほか、顔や全身に発しんが出て、19日に医療機関を受診しました。翌20日、紹介を受けた別の医療機関で多臓器不全と診断されて入院しましたが、2日後に敗血症で亡くなったということです。その後に出た検査の結果、男性は、「つつが虫病」に感染していたことが確認されました。

ラッカ星人

どこで「つつが虫病」に感染してしまったんだろう?

金子記者

男性は12月初旬、千葉県南部に1週間ほど滞在して住宅周辺の草刈りを行っていて、この時に山林や草むらに生息するダニの一種、ツツガムシに刺されたと考えられるということです。

ツツガムシ(千葉県衛生研究所HPより)
ラッカ星人

「つつが虫病」というのは、ダニの一種、ツツガムシの関係する感染症なんだね。

つつが虫病とは

▼病原体を保有するツツガムシ(ダニの一種で野山に生息)に刺されることで感染する
人を刺すのはツツガムシの幼虫で、体長0.2~0.3mm。肉眼での確認は難しい
人から人への感染はない
▼潜伏期間は5日間~14日間
▼主要な3つの症状としては、発熱、刺し口のかさぶた、発しん

ラッカ星人

県内の感染状況はどのような感じなの?

金子記者

つつが虫病は4類の感染症で、県によると、毎年70件前後は発生していて、2022年は1年間で60件、確認されました。ただ、「つつが虫病」による死者が確認されたのは、記録が残る2006年以降初めてということです。
例年、県内では、ツツガムシの活動が盛んとなる、秋の終わりごろから春のはじめごろにかけてが発生のピークとのことです。

ラッカ星人

どのようなことに注意すればいいのかな?

金子記者

①ツツガムシに刺されないように気をつけること、②疑わしい症状が出たら速やかに受診することだと言えるでしょう。

肌の露出を避ける

【船橋市や千葉県が呼びかけている対策】
▼ワクチンはなく、山林や草むらなどダニの生息場所に立ち入る際には、長袖長ズボンで肌の露出を避け、虫よけ剤を適宜使用する。
▼休憩するときは、地面に直接座らず、レジャーシート等を敷いて座る
▼作業後は早めに着替え、着ていた衣服は洗濯し、入浴して身体をよく洗う
早期治療が極めて重要で、抗菌薬の投与により治療可能
▼治療が遅れると致死率が高くなるため、疑わしい症状がある場合は、速やかに医療機関を受診する。

レジオネラ菌の死者も

県のリーフレット
ラッカ星人

レジオネラ菌で亡くなった方もいるんだね?

金子記者

千葉県によりますと、2022年11月末、鎌ケ谷市に住む77歳の男性が自宅の浴槽で意識がなく溺れていて、病院に搬送されました。その後、レジオネラ菌への感染がわかり、治療を受けていましたが、12月23日に急性呼吸窮迫症候群のため死亡しました。この男性は妻と2人暮らしで、自宅の浴槽は一般的に感染源となりうる循環式のものではなく、温泉施設やプールの利用もなかったため、感染した原因は特定できなかったということです。

レジオネラ菌とは

土の中や河川、湖沼など自然界に生息している細菌
▼入浴施設の配管や貯湯槽などにアメーバが生息→アメーバの中でレジオネラが増殖→アメーバが破裂してレジオネラが飛び出す→レジオネラ菌を含むエアロゾルを人間が吸い込んで感染
人から人へは感染しない

こまめな掃除を
ラッカ星人

感染状況や予防策はどうなんだろう?

金子記者

レジオネラ症も4類の感染症で、2022年は千葉県内で86件の届け出がありました。今回の鎌ケ谷市の男性のほか、2人が亡くなっています。

【千葉県が呼びかけている対策】
▼感染源となりうる循環式の浴槽(24時間風呂や温泉利用施設、ジャグジーなど)や加湿器(超音波式)をこまめに掃除して衛生的に管理すること
▼適切な抗菌薬の投与により治療可能だが、治療が遅れると重症化することもあるので、症状がある場合には速やかに医療機関を受診すること

インフルエンザは流行期入り

県衛生研究所の感染症週報より
ラッカ星人

インフルエンザ感染についてのニュースもよく目にするね?

金子記者

千葉県は2022年12月28日、「インフルエンザの流行シーズンに入った」と発表しました。インフルエンザの流行期入りは、2019年~2020年にかけて以来、3シーズンぶりです。

千葉県衛生研究所が毎週発表している「感染症週報」によると、2023年1月8日までの1週間、県内の1医療機関あたりの患者数は4.73人で、前の週の2.40人の2倍近くとなりました。
地域別にみると、市原保健所管内が10.00人、君津保健所管内が7.50人、長生保健所管内が7.43人などとなっています。

コロナ、感染状況の警戒レベルを引き上げ

ラッカ星人

新型コロナウイルスもここのところ、感染拡大が続いているよね?

金子記者

そうなんです。熊谷知事は、1月12日の記者会見で、4段階ある新型コロナウイルスの感染状況の警戒レベルを「2」から「3」へ1段階引き上げると発表しました。「3」は深刻度が2番目に高く、「医療負荷増大期」にあたります。

医療提供体制の状況(千葉県HPより)

1月11日時点の病床使用率(直近7日間平均)は62.5%、重症病床使用率(直近7日間平均)は21.6%にのぼっていて、受け入れ先が決まらず救急搬送が困難になる事例や、医療従事者が感染したり濃厚接触者に認定されたりして出勤できない事例が増えるなど、県内の医療がひっ迫している状況だということです。

ラッカ星人

新規感染者数もなかなか減らないね。

金子記者

はい、1月12日までの直近7日間平均で7,655人でした。
私も12月に感染して、発熱やのどの痛み、めまいなどの症状が出ました。
抗原検査キットと解熱剤はあらかじめ用意していたのですが、のどの薬はなく、近くのクリニックのオンライン診療を受けて、薬を処方してもらいました。薬局の方がポストに入れてくださり、とても助かりました。

また12日は、50代以上の男女あわせて29人の死亡が発表され、亡くなった人は1日に発表される数としてはこれまでで最も多くなり、累計は3186人となりました。

千葉県疾病対策課は、「感染者数の増加に比例して、高齢者や基礎疾患がある人を中心に亡くなる人も増えてきている。オミクロン株は軽症で済む場合が多いとされているが、重症化する人も一定数いるため、感染対策を徹底していただきたい」としています。

熊谷知事

地域によっては発熱外来の予約が取りづらい状況が見られていますが、陽性者登録センターやオンライン診療センターには十分余裕がある。ワクチン接種や、効果的な換気、症状があるときは出勤や外出を控えるなど、効果的な感染防止対策の再徹底をお願いします。

  • 金子ひとみ

    千葉放送局記者

    金子ひとみ

    基礎疾患がない軽症患者の場合、オンライン診療は負担も少なく効率的なのではないかと個人的に感じました。

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