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安倍元首相の国葬 千葉県内の自治体で当日弔意示す予定は?

  • 2022年09月26日

9月27日に行われる安倍元総理大臣の国葬。
政府は今回、地方自治体などに対して弔意表明への協力を求めていませんが、当日、千葉県内の自治体ではどのような対応を取るのでしょうか。
県と全54市町村に当日の対応を聞きました。
「弔意を示す」と答えたのは32で、「弔意を示さない」と答えたのは10でした。残る13は「検討中」と回答し、国民の間で賛否が割れる中で、判断に迷う自治体も多くなっています。

千葉県内、対応分かれる

安倍元総理大臣の国葬について政府は、「国民ひとりひとりに弔意を求めるものではない」として、地方自治体や教育委員会に弔意表明を求めないことを決め、対応は各自治体に委ねられています。
千葉放送局では、22日までに回答を求める形で、県と54の市町村に対して、当日の対応を聞きました。

Q)9月27日、庁舎や公共施設で、弔意を示す予定がありますか?

この質問に対して、庁舎に半旗を掲げて「弔意を示す」と回答したのは、千葉県と31の市町村です。

千葉市・銚子市・館山市・野田市・旭市・習志野市・我孫子市・八千代市・鴨川市・浦安市・四街道市・南房総市・匝瑳市・山武市・大網白里市・成田市・富里市・市原市・酒々井町・栄町・神崎町・多古町・東庄町・九十九里町・芝山町・睦沢町・白子町・長柄町・鋸南町・横芝光町・長生村

半旗を掲げる理由について聞いたところ、「2年前の中曽根元首相の合同葬の際の対応を参考にした」「国の儀式として執り行われるので、市として弔意を表明する」「千葉県の対応を参考にした」などがありました。
半旗を掲げる場所としては、「本庁舎のみ」と、「本庁舎のほか、消防庁舎や文化会館などの掲揚する場所があるところ」の回答がありました。

一方、「弔意を示す予定はない」と回答したのは、10の市と町です。

市川市・木更津市・松戸市・東金市・柏市・流山市・香取市・いすみ市・一宮町・長南町

その理由としては、「住民の方々の賛否が分かれている中で、市として対応を取るのは難しい」や、「国などから通知や要請がない」「近隣の自治体の対応を踏まえた」などがありました。

また、「未定・検討中」などと回答したのは、13の市と町です。

船橋市・茂原市・佐倉市・勝浦市・鎌ケ谷市・君津市・富津市・袖ケ浦市・八街市・印西市・白井市・大多喜町・御宿町

その理由としては、「国などからの通知が届いていないため現時点では未定」「他の自治体の状況をみながら決める」「直前まで検討する」などがありました。

弔旗を掲げる自治体や職員が黙とうすると回答した自治体はありませんでした。

教育委員会は?

Q)教育委員会から市町村立学校に対し、弔意を示すよう求めるなどの対応をしていますか(今後、対応をする予定ですか)?

この質問に対して、「対応をする」と回答したのは、酒々井町です。

酒々井町の担当者

「半旗を掲揚することを教育委員会から町立学校に要請するが強制はしません。対応は各学校長により判断してもらいたいと考えています」

これ以外は、千葉県も含めて、「対応はしない」、または、「未定・検討中」と回答しています。

「対応はしない」とした県教育委員会は、「中曽根元首相の合同葬の際には、弔意表明の閣議了解のあと、文部科学省から参考として通知が来て、市町村にも周知するよう依頼があった。しかし、今回は文部科学省から通知がないため、県立学校などに弔意を求める対応は取らないという判断に至った」と説明しています。

2020年10月に行われた中曽根康弘・元総理大臣の内閣と自民党の合同葬の際は、哀悼の意を表する措置として、▽各府省は当日、弔旗を掲揚するとともに、葬儀中の午後2時10分に黙とうすること、▽同様の方法で哀悼の意を表するよう各公署に協力を要望することが閣議了解され、当時の加藤官房長官名で萩生田文部科学大臣あてに関係機関などへの協力の要望について文書で通知されています。

これを受けて文部科学省が、この文書を添付した上で、各国立大学などに合同葬当日の弔意表明について、「この趣旨に沿ってよろしくお取り計らいください」と記した通知を出し、全国の都道府県の教育委員会にも同じ文書を添付した上で、「市区町村教育委員会に対し参考周知をお願いします」と記載した文書を送っていました。

首長の出席は?

Q)首長が国葬に出席しますか?

この質問に対して、「出席する」と回答したのは、千葉県の熊谷俊人知事、千葉市の神谷俊一市長、東庄町の岩田利雄町長の3人です。

熊谷知事

「粛々と出席して、私も市長時代にも様々な形で国との連携の中で故・安倍元総理とはやり取りしておりますので、しっかりとお悔やみの気持ちを伝えたいと思います」(9月8日の記者会見)

千葉市の担当者

「賛否両論あることは承知していますが、国から正式な参列の案内をいただいており、本市の長として弔意を表すことは自然なことと考えますので、出席することにしました」

東庄町の担当者

「千葉県町村会の会長として出席します」

一方、千葉県市長会の会長を務める流山市の井崎義治市長は、市議会への出席のため、欠席するということです。

この質問に対しては、「出席に関する案内が来ていないので、答えるのが難しい」とか「案内が来たら、検討をする」という回答もありました。

一方、市川市の田中甲市長は、「首長としては出席しない」としたものの、「個人として出席する」ということです。
田中市長は、1993年、安倍元総理大臣とともに衆議院議員選挙に初当選した「初当選同期」で、案内状は、元衆議院議員として届いたということです。

市川市の担当者

「首長としての出席はせず、公用車も使用しません。個人として案内を受けて出席を予定していますが、公務が入れば公務を優先します」

「国葬」世論大きく割れる


今回の国葬については、世論が大きく割れています。
NHKが9月9日から3日間行った世論調査で、政府が、27日に安倍元総理大臣の「国葬」を行うことへの評価を聞いたところ、「評価する」が32%、「評価しない」が57%でした。

さらに「国葬」についての政府の説明は十分だと思うか尋ねたところ、「十分だ」が15%、「不十分だ」が72%でした。

国葬に関して、熊谷知事は9月8日の記者会見でこう話しました。

熊谷知事「国葬に関して様々な議論があるというのは当然だと思いますし、健全な民主主義の現れだと思っています。我々は行政に連なる者として、政府が国葬というふうに決めたのであれば、それにふさわしい対応をするというのが役割だと思っています」

その上で、こうも指摘しました。

「長く行われていなかったものであり、これから先、何十年後、その先になるかわからないが、いずれ我が国で国葬を行う上において、今回の国葬が1つの前例になることは間違いない。その前例に耐えられるだけのしっかりとした検討や整理がなされてることが望ましい
「中曽根元総理の内閣自民党合同葬のときよりも、本来は高いレベルでの政府の取り組みであるはずなのに、自治体等への要請はむしろそれよりも低いレベルでの対応になっている。このために各自治体などの対応にばらつきがでている、もしくはでかねない状況だ。政府は国葬を決めたのであれば、国民にしっかりと説明し、国葬にふさわしい整理をして対応していくべきだ

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