センバツ 青森山田、八戸学院光星を実況アナがご紹介!

間もなく始まるセンバツ高校野球。東北からは、青森山田、八戸学院光星(青森)、学法石川(福島)の3校が出場します。去年秋の東北大会での取材やデータ、直前の最新情報を踏まえて、それぞれのチームについてご紹介致します。1回目の今回は、青森山田、八戸学院光星です。

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青森山田(青森) ノーヒットノーランを甲子園でも!
去年秋の青森県大会で3連覇。続く東北大会でも投打がかみ合い、8年ぶりの優勝を果たした。青森県大会では5試合で40得点。ホームランもよく出るなど、長打力が光った。八戸学院光星との決勝でも、複数のホームランが飛び出して勝利。東北大会初戦でもホームランが出て、延長13回にもつれ込む大熱戦も、持ち前の攻撃力を生かし羽黒(山形)に9-8で競り勝った。上位打線はもちろん、下位打線もバットの振りが鋭い印象。チャンスの場面で、中軸打者がセーフティーバントを試みたり、ディレードスチールを見せたりと、小技も絡めながらの試合運びも印象に残る。初戦以降の東北大会の戦いでは、準々決勝以降の3試合で失点がわずか1と、高い投手力をいかして勝ち上がった。特に印象に強く残ったのが、東北大会決勝。八戸学院光星(青森)との対戦、先発の櫻田朔(さくらだ・さく)投手が相手を寄せ付けない投球を見せ、何とノーヒットノーランをやってのけた。直球の多くは130キロ台、変化球は大きく曲がるカーブがほとんど。おおむね2つの球種で抑え込んだ。直球は驚くようなスピードがあるわけではなく、打者を惑わせるように多彩な変化球を操る感じもない中、直球とカーブのコンビネーションで緩急を相手に意識させたことが、ノーヒットに抑えられた要因の一つと感じた。三振は6つと多くなく、打たせて取る投球を展開し、緩急で打者を崩し続けた。櫻田と共に東北大会で柱として活躍したのが、関浩一郎(せき・こういちろう)投手。長身から投げ下ろす、最速140キロ超の直球が持ち味。東北大会準決勝の一関学院戦(岩手)では、2安打完封勝利をあげた。重要な東北大会の準決勝、決勝で2人の投手が完封勝利をあげる、しかも、もう一方はノーヒットノーラン。ハイレベルな投手陣だ。この冬は体力強化を図って、体重の大幅な増量に成功した選手もいるなど、スケールアップした選手たち。去年秋の東北王者は、更なる成長を遂げて甲子園に挑む。

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八戸学院光星(青森) ハイレベルなサウスポーで勝負!
去年夏の甲子園で、ベスト8まで勝ち残った八戸学院光星。ともに2年生サウスポーの岡本琉奨(おかもと・るい)投手、洗平比呂(あらいだい・ひろ)投手がダブルエースとして活躍し、俊足で打撃力もある砂子田陽士(すなこだ・ようじ)選手など、主要メンバーが残った。洗平は去年秋の東北大会、準々決勝で7回1失点、準決勝で9回1安打完封と、大事な試合で堂々たる投球を見せた。140キロを超える直球に目を引かれるが、それだけではなく、変化球にも精度の高さを感じた。手足の長さも印象的で、角度のある投球は打者にとって脅威となるようにも思えた。岡本も直球は140キロ超と力のある投球を見せ、東北大会は2試合に登板して勝利に貢献。そして去年秋、躍進を遂げたのが、洗平と岡本と同じくサウスポーの森田智晴(もりた・ちはる)投手。直球は130キロ台で、様々な変化球を投げる左のサイドハンドだ。秋の県大会2試合で完封。東北大会でも10回を投げて2失点と安定した投球を見せた。けん制が非常にうまく、1塁ランナーに走るタイミングを盗まれない。3人も信頼できるサウスポーが揃うチームも、甲子園では珍しいかもしれない。投球内容の異なる3投手の躍動に期待がかかる。攻撃は、東北大会では目立った数字は残らなかったものの、チャンスを確実に得点に結びつける勝負強さは見せた。去年秋の時点で課題の残った打撃について、力強いスイング、力強い打球をつけるべく、ここまで練習に取り組んできた。バッティング練習では、バッティングピッチャーが直球と低めの変化球を交互に投げ、何の球がくるか分かっている状態で打ち込むことで「ボール球に手をださない」「狙い球を決めて打つ」練習をしてきた。充実した投手力を軸に、攻撃陣も応えることができれば、強い八戸学院光星が見られるのではないかと感じる。

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実況アナが語る!“層の厚い八戸学院光星” “かつての輝きを・青森山田”
八戸学院光星について、思い出すのが2年前の夏の甲子園。私は八戸学院光星の試合を実況しましたが、その際は延長にもつれ込む大熱戦の中で、何と5人の投手をつぎ込む継投を見せました。甲子園という大舞台で投げられる投手というのは、当然レベルの高い投手ですが、それを5人も揃えるというのは大変なことです。しかも接戦の中で次々継投を行う光景に、本当に層の厚いチームだと驚かされた記憶があります。今回もレベルの高い投手を何人も揃えています。八戸学院光星の「層の厚さ」に大注目です!

青森山田といえば、青森県内でも屈指の強豪校。2004年から夏は6年連続で甲子園出場を果たしました。その頃私は福島放送局に勤務していて、東北大会や甲子園で放送や取材をする際には、青森県は青森山田という印象でした。しかし、その後は八戸学院光星の台頭もあって甲子園から遠ざかるようになり、今回甲子園は7年ぶりと久々の出場です。今回の出場を機に、再び甲子園への連続出場など、強さをファンに印象付けて欲しいものです。