授業例

「プレゼンテーションを作る」の回を使った授業例

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 木村明憲

聞き手につたわるプレゼンテーションを作る。

プレゼンテーションソフトを使ってプレゼンテーションの資料を作成し、伝える学習が行われることが多くなってきました。しかし、プレゼンテーションの資料を作ることは、初めて挑戦する児童にはとても難しいことです。アプリケーションの操作方法だけでなく、伝えたいことをうまく伝えるために、資料の作り方についても知っておく必要があります。今回の「しまった!」ではプレゼンテーションの基本的な作り方について紹介されています。番組内で紹介された3つのポイント「文字は少なくキーワードで」「写真やグラフは絞り込め」「繰り返し練習」をしっかり意識することで、聞き手に伝わるプレゼンテーションができるようになります。

4年生 国語科 「調べたことを整理し、発表しよう(全16時間)」光村図書

《単元計画》
1時間目 様々な人たちと「関わり合う」ということについて情報を集め、まとめた情報を伝えるというめあてをもつ。
2時間目 知りたいこと、調べたいことを交流し、学習課題を作り、課題を解決するための学習方法を明確にして学習計画を立てる。
3時間目 「関わり合う」ということについて考え、学習課題について友達と交流する。
4,5,6時間目 学習活動を基に情報を集める。
7時間目 集めた情報の整理の仕方について考える。
8時間目 整理した情報を基に、発表の順序を考えたり、発表資料を作成したりする。
9時間目 プレゼンテーションの作り方について考える。(本時)
10,11時間目 プレゼンテーションを作成する。
12時間目 聞き手を意識し、どのように自分の考えを伝えれば相手に伝わりやすくなるか、考えながら発表の練習をする。
13,14時間目 発表を聞き合い、感想や意見を交流する。
15時間目 学習を振り返り、今後生かしていきたいことについてまとめる。

本時の目標

・プレゼンテーションの作り方について考える。
学習活動 ○発問 ・児童の反応 ※支援
  • ○プレゼンテーションをつくるときに大切なことはどのようなことだろうか。
 
  • ◆ポイント1
    プレゼンテーションについて知っていることを交流しよう。
 
  • 2.プレゼンテーションについて知っていることをワークシートに書き出し交流する。
  • ・聞き手に伝わるように話すことが大切です。
  • ・スライドなどを作るとわかりやすいと思います。
  • ○プレゼンテーションについて知っていることやプレゼンテーションをする時に大切なことはどのようなことでしょうか。
  • ※イメージマップ等で板書することにより、児童の発表した事の関係を明確にすることができるようにする。
  • ◆ポイント2
    プレゼンテーションを作るときのコツを見つけよう。
 
4.「しまった!プレゼンテーションを作る」を視聴する。
  • 一枚のスライドに文字が多すぎると聞き手にとってわかりにくいということがわかりました。
  • 一枚のスライドには、写真や図などは絞って使うことが大切だと思いました。
  • 本番の前に何度も練習することが大切だということがわかりました。

※視聴して発見したことをワークシートに記述する。

  • ◆ポイント3
    コツを生かしてプレゼンテーションを作ろう。

演習教材(ふりかえりシート)でふりかえる

 
  • 5.プレゼンテーションを作ろう。
  • ○「しまった!」を見て、気付いたことを意識して、演習教材に挑戦しよう。

演習教材(チャレンジシート)に挑戦する

 

番組活用のメリット

本単元では、児童が本やインターネットで調べたことを他の児童に発表する単元です。教科書には、プレゼンテーションの資料を作成して発表することにはなっておりませんが、「しまった!」を視聴し、プレゼンテーションを作る際の基本的な注意点を確認しておくことで、4年生の児童でもプレゼンテーションを作り発表することにチャレンジすることができます。プレゼンテーションを作成する際は、番組で示された3点「文字は少なくキーワードで」「写真やグラフは絞り込め」「繰り返し練習」を意識させながら学習を進めることで、聞き手に伝わるプレゼンテーションを作ることができるようになると考えます。

番組活用のポイント

ポイント1「プレゼンテーションについて知っていることを交流しよう。」

4年生の児童にとっては、プレゼンテーションという言葉すら初めて出会う言葉かもしれません。番組を視聴する前に、プレゼンテーションという言葉のイメージをある程度明確にしておく必要があります。そこで、児童にプレゼンテーションについて知っていることを交流させ、イメージを膨らませておくことが効果的だと考えます。この交流でプレゼンテーションとは「自分が伝えたいことを聞き手に伝えることである」「スライド資料を提示しながら伝える」「資料を提示しながら伝わるように工夫して伝える」ことなどを交流することができると、「しまった!」を視聴した際に、児童が「しまったポイント」を見つけながら楽しんで視聴することができるようになると考えます。

ポイント2「プレゼンテーションを作る際のコツを見つけよう」

番組を視聴する際は、「プレゼンテーションを作る際のコツを見つける」という目的で視聴することが効果的かと思います。番組内で紹介されているポイントは3つですが、それ以外にも話し手の話し方(抑揚や緩急、間など)や、指し示しながら話している様子(身振り手振り)などの隠れポイントを発見することができます。そのようなできるだけ多くのコツを番組から発見し、それらを学級全体で交流してから、プレゼンテーション作りにつなげていくことが効果的であると考えます。

ポイント3「コツを生かしてプレゼンテーションを作ろう」

授業風景

「しまった!」を視聴して発見したコツを意識しながらプレゼンテーション作りを進めていきます。番組で閣下から示されるポイントは「文字は少なくキーワードで」「写真やグラフは絞り込め」「繰り返し練習」の三つです。その中で「文字は少なくキーワードで」「写真やグラフは絞り込め」はスライド作りの際に意識すべきポイントで、「繰り返し練習」はスライド作りが完了した後に意識するポイントです。さらに、児童が視聴しながら気づくと考えられるポイントとして「話し方」「身振り手振り」などがあるかと思います。これらもまた、スライド作りが完了し練習をする際に意識すべきポイントです。
実際にプレゼンテーションを作り始めると、視聴で気がついた大切なポイントを忘れ、それらを意識せずにプレゼンテーションを作ってしまうことがあります。そのようなことにならないよう「しまった!」で気づいたポイントをプレゼンテーション作成と対応させて掲示しておくなどして、児童がいつも意識することができるように支援することが、聞き手に伝わるプレゼンテーションを作ることにつながると考えます。