ABOUT NHKNHKについて

NHKの特長

究極の使命は「健全な民主主義の発達に資する」こと(放送法第1条)
信頼できる情報を提供し、社会の多様性を実現するために
NHKは、さまざまなコンテンツやサービスを生み出しています。

命を守る放送

2024年1月1日、多くの人が寛いでいたこの日、日本を襲った能登半島地震。NHKは予定していた番組を休止し、高台への避難など命を守る行動を呼びかけました。「揺れが続く中、外に出たら危ないのでは?」「テレビで情報を収集して判断しよう」経験したことがない揺れに直面すると、そう思う人もいるでしょう。しかし、津波は、その一瞬の判断が生死を分けます。東日本大震災以来、「避難をもっと強く促していれば、救えた命があったのでは?」という後悔を、多くの職員が抱いていました。アナウンサーの呼びかけコメント、画面表示の内容など検討を重ねてきました。「国民の生命・安全を守る」というNHKの最重要使命を達成するために、これからも「行動につながる」情報提供を目指していきます。

フェイク時代の
信頼のジャーナリズム

SNSで誰もが自由に情報発信ができる今、あふれる情報の中に“フェイク”が潜んでいます。AI技術の進歩が生んだ、本物と見分けのつかない画像や動画が「本当らしさ」を強化して、見破ることがどんどん難しくなっています。コロナ禍や災害の際に、多くのフェイク情報が拡散しました。NHKはコンテンツ戦略の柱として「“フェイク”の時代だからこそ顔の見える信頼のジャーナリズム」という理念を掲げています。健全な民主主義の土台として、正確な情報に基づく議論が欠かせません。NHKは「情報空間の参照点」でありたいと考えています。
海外のメディアとも協力しながら、地道なファクトチェックを重ねて、フェイクに立ち向かっていきます。

子どもや教師と一緒に
“学びをつくる”

NHKの学校放送番組のコンテンツを「利用したことがある」という教師の数は全国でおよそ9割にのぼります。膨大なコンテンツを利用できる、WEBポータルNHK for Schoolはコロナ禍で学校に行けない期間に子どもたちの学びを助けました。教育現場で活用される数々のコンテンツは、まず番組・ウェブコンテンツを制作、それを実際に授業などで使ってもらって、その様子を見学し、集めた反応をもとに番組を修正、バージョンアップしていきます。学びの現場で一緒につくりあげていくのです。

地域・世界に広がる
ネットワーク

NHKには国内に54の放送局、海外に29の取材拠点があります。能登半島地震など、災害時には地域の放送局から、生活に密着したライフライン情報を提供します。平時においても、地域に暮らすみなさんと一緒に、少子化や空き家やごみ処理問題など、地域の課題に取り組んでいます。

政府から独立して公平公正な報道を行う公共放送として、世界に張り巡らされたネットワークを生かして、世界の“今”を正しく理解するための多様な情報を提供します。

テクノロジーが開く
未来のメディア

新たなコンテンツ、サービスを生み出すため、テクノロジーの開発にも力を入れています。

多様な映像表現を可能にする“CG・VFX”

NHKはこれまでに、最先端のCG・VFX技術を活用し、太古の世界や未来を描写する映像、数千人の群衆など、リアルで迫力のある映像を生み出してきました。このテクノロジーとドラマが融合し、新たな可能性が生まれています。大河ドラマ「どうする家康」では、大型LEDウォールを使用したインカメラVFXでの撮影を行いました。インカメラVFXとは、カメラの動きに連動した3D・CGをリアルタイム表示させることで、奥行きのある世界をそのまま撮影できる技術です。最新のゲームエンジンによる高品質なリアルタイムCGによって、より自然な映像表現が可能となりました。合戦から城内の広い御殿、城下町など、多様なシーンを表現しています。

紅白歌合戦を支える、
クラウドを使った
大規模投票集計システム

年末の風物詩、紅白歌合戦の勝敗の鍵を握る、視聴者のみなさんのテレビリモコンによる投票。
1票1票が大切ですが、その数は膨大です。大量のデータが押し寄せても、投票集計システムがダウンすることなく、確実に短時間で処理することが求められます。これを実現し、年1回の紅白歌合戦のために効率的に構築できるのが、クラウドを利用したシステムです。クラウドなので、処理可能な投票数や障害対策としての予備系の構築に柔軟性があります。30秒間で170万世帯の視聴者からの投票集計を可能にしました。

見たことのない映像体験を!
特撮先進撮影技術

これまでにない映像を撮影するために、機材そのものの開発も行っています。
虫の視点で世界はどう見えるのか見てみたい、水中から陸上への動きを1カットで撮影したい、45度プリズムを使い、生物の目線で撮影できるSHVペリスコピックレンズを開発しました。ペリスコピックとは、長い筒状の独特な形から「潜望鏡のような」という意味です。見たことのない映像を作るために、新しいテクノロジーに果敢に挑戦します。

SHVペリスコピックレンズで撮影した動画

多様性への挑戦

男女の役割分担が固定的?可視化するところから始めよう

NHK では、多様な視聴者のニーズに応えるコンテンツを提供できるよう、ダイバーシティの実現を推進しています。イギリスの公共放送・BBC が立ち上げたプロジェクト「50:50 The Equality Project」に世界30か国、50を超える組織とともに参加。このプロジェクトは、ドラマに出演する俳優、情報番組の進行役やスタジオゲスト、そして報道番組で取り上げる専門家などのジェンダーバランス等を意識し、多様な視点を取り入れた番組制作を行う取り組みです。それぞれの番組の出演者に占める女性・男性の割合を計測し、可視化することで、制作現場の担当者が偏りの有無を認識することができ、コンテンツの多様性を高めることにつながると考えられています。

障害があってもなくても情報を届けきる

「障害のある人とない人が共に生きる社会」という理念は広く共有されつつあります。しかし、視覚や聴覚に障害がある人にとって、必要な情報を得ることは容易なことではありません。NHKでは古くから「手話ニュース」を放送、近年では、手話CGの開発も進めています。

また、選挙や災害など、必要な情報を障害に応じてまとめたサイトも次々と誕生しています。

多様な視聴者のみなさんに情報を届けきるために、私たち自身の「多様性」も重視しています。障害や病気、家族の介護、育児など、さまざまな状況にある職員が、その人らしく働ける環境づくりに取り組んでいます。