〝番記者〟のつぶやき

2021年12月20日 (月)

虎番のつぶやき ~阪神・中野拓夢"一歩"踏み出し盗塁王に~

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新人盗塁王に輝いた阪神中野拓夢選手

「プロに入るまでは盗塁への意識が高くなかった」と言いながらもタイトルを獲得できた要因は、これまでより一歩分、大きく踏み出したリードにありました

 

【正直、取れるとは・・・】

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大学から社会人を経て、ドラフト6位で入団した中野選手。
思い切りのよいバッティングや、広い守備範囲を評価されて、開幕直後にショートのレギュラーを奪いました。
しかし、バッティングや守備以上に存在感を見せたのが盗塁でした。
新人から2年連続でタイトルを獲得した、先輩の近本光司選手を上回る30個の盗塁をマークして1年目からタイトルを獲得
ところが本人にとっては予想外の結果だったと言います。

(中野選手)
「アマチュア時代はあまり盗塁をしてこなかったし、そこまで盗塁に対してのこだわりや意識があまり高くはなかったので、正直、自分の中で取れるタイトルだと思っていなかった」

 

【帰塁がうまいなら・・・】

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その中野選手に可能性を見いだしたのは、筒井壮外野守備走塁コーチ
「近本ほどの速さはないが、エンジンのかかりが速い」と素質を感じていました。
しかし、本人に「何で走らないの」と聞くと、「僕は走る選手じゃないですよ」と驚いた顔をしたと言います。
試しに2月のキャンプ中の実戦から盗塁を積極的に仕掛けるよう指示したところ、なかなか成功しません。
うまくなる方法を模索していたところ、目にとまったのが、ピッチャーにけん制された際に中野選手が塁に戻る、反応の良さでした。
そこで筒井コーチは、一歩分、およそ80センチ、リードを広げることを中野選手に提案しました。

(筒井コーチ)
「反射神経がよくて塁に戻るのがうまいのに、このリードだったらもったいないなと思った。セカンドベースまでの距離が単純に近くなれば成功しやすくなるのではと」

 

【リードを一歩広げる】

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リードを広げることで、けん制でさされるリスクは高まりますが、中野選手は「塁に戻るのがうまい」と太鼓判を押してもらったことで不安はなくなったと言います。
次の塁への距離が近くなり、スタートも思い切って切れるようになったことで、今シーズンの盗塁成功率は93.8%
高い成功率で、タイトル獲得につなげました。

(中野選手)
「スタートを切る勇気がアマチュア時代は、なかなかなかったが、リードの幅が大きくても自信を持ってスタートを切れるようになった。スタートを切る勇気が、いちばん大事だと感じた」

 

【2年連続盗塁王を目標に】

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盗塁王のタイトルをつかんだ中野選手ですが、現状にはまだまだ満足していません。
シーズン終盤は、しれつな優勝争いで相手バッテリーが警戒してくる中、思い切ったスタートが切れなかったと言います。
来シーズンに向けてスライディングの技術を磨き、盗塁の企画数を2倍近くの60回に増やしたうえで、50回の成功を目標2年連続の盗塁王を狙います

(中野選手)
「高い成功率を求めてしまうと、なかなか思い切ったスタートが切れなくなる。来シーズンは警戒されている中でも、ひとつでも多く走れるようにやっていきたい」

 

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(虎番記者:足立隆門)

 

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