高校駅伝男子

2021年12月20日 (月)

全国高校駅伝 大阪・清風~二刀流キャプテン~

男子の大阪代表は、35回目の出場となる清風高校
ある競技との二刀流で力を付けてきたキャプテンがチームを引っ張ります。

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かつては31年連続で都大路に出場するなど、高校駅伝では大阪を代表する存在だった清風。
全国の舞台からしばらく遠ざかっていましたが、ことしは、指導する木村友泰コーチが「3年計画の3年目」と話すとおり、中学時代から有望視されていた選手たちを中心としたチームで、大阪大会を大会新記録で優勝し、13年ぶりの切符をつかみました。

(木村友泰コーチ)
「選手たちは、歴史と伝統を胸に頑張ってくれている。非常にいいチームが出来たと思う」

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チームを引っ張るのが、キャプテンの奥野達選手です。
中学時代から中・長距離に取り組んできましたが、全国で戦えるレベルではありませんでした。

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しかし、ある競技を始めたことで、3年間で5000メートルのタイムを1分以上縮めるなど実力をつけました。その競技とは“競歩”です。

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中学3年生の夏、本格的に練習を始めると、眠っていた才能を発揮し、半年余りで5000メートルの中学日本記録を樹立しました。
この記録は今も破られていません。
ことしの全国高校総体でも、けがからの復帰直後で、万全な状態ではないなか、4位に入りました。

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奥野選手は、競歩では高校トップレベルの実力を持ちながら、仲間とたすきをつなぐ駅伝の魅力にもひかれ、高校3年間“歩き”と“走り”二刀流で練習を続けてきました。
それが、決して得意ではなかった長距離の成績アップに思わぬ効果をもたらしました。

(奥野達主将)
「長距離と競歩では使う筋肉が違う。だからこそお互いにいい効果が働いて、相乗効果というか、両方うまく伸びていったのではないか」

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特に競歩特有のフォームによって鍛えられた筋肉が、長距離での成長を後押ししました。
競歩では、太もも裏の筋肉を使って地面を押すようにして進みます。
長距離を走るだけでは鍛えにくい筋肉が、競歩の練習を繰り返すなかで大きく発達したと言います。

(奥野達主将)
「スピードを出すための出力や最後まで力を出しきるスタミナの面で、競歩で太もも裏の筋肉が鍛えられたことが長距離につながっている」

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奥野選手は、大学からは競歩に専念し、大学3年生のときに行われる予定のパリオリンピックを目指すことを決めています。
二刀流の集大成となる最後の都大路に特別な思いで臨みます。

(奥野達主将)
「これからは競歩でトップを目指していくので今回の都大路が“ラストラン”ということになる。チーム全員がうまく走れるようにキャプテンとして士気をあげていきたい」

(取材・福島康児/大阪拠点放送局記者)

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