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清水がおじゃまします!ナマコ新活用!一日限りの水族館🐟

  • 2023年10月19日

コーナー「清水がおじゃまします!」。 
地域密着リポーターの清水まどかが、県内のみなさんのもとに直接おじゃまして 
地域で地道に頑張る人や魅力的な取り組みなどをお伝えします。

放送した動画はこちら

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出が始まり
中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことを受け、
影響が深刻化している佐渡のナマコ業者。

こちらの記事でもご紹介しています
(画像をクリックするとリンク先へジャンプします)

育てているナマコを減らさざるを得ない、そんな状況の中で、
ナマコを新しく活用しようという取り組みがあると聞いておじゃましたのは・・・

県内唯一!動物専門学校

新潟市内にある、動物専門学校。「水族館・ドルフィン学科」では、
水族館の飼育員やドルフィントレーナーなどを目指す学生を養成しています。
おじゃました日の授業は「フィッシュトレーニング」!

ターゲットに向かってジャンプ!

魚が技を決めたタイミングにあわせて、エサを与えるのです。
成功体験を繰り返すことで芸ができるように訓練しています。

フィッシュトレーニングを指導しているのは、澁谷こず恵先生。
かつて、水族館のトレーナーとして働いていました。
大切なのは、水生生物の魅力を客に「伝える」ことだと言います。

澁谷こず恵先生
「経験と練習とあとはやっぱり一番は気持ち(が大事)だと思います。
 自分がいかにこの生き物について知って、『この生き物ここおもしろい、ここ伝えたいな』と
 思うかが、伝える側として一番重要かなと思いますね。」

海の生き物の面白さ伝えたい~佐渡のナマコを新活用!

そんな澁谷先生たちが、子どもたちに生き物の面白さを伝えたいと
去年から校内で開いている「一日限りの水族館」。

その中でも大人気だったのが、「タッチプール」です。
生き物を触ることで、肌で良さを感じることができます。

ことしの開催を間近に控える中、
澁谷先生は佐渡のナマコ業者が困っているというニュースを目にしました。
そこで、なんとか今年のタッチプールに活用できないかと考えたのです。


澁谷先生は、相談していた佐渡のナマコ業者のもとに足を運びました。

この業者では、江戸時代から歴史がある佐渡のナマコを、卵から繁殖させて養殖しています。
この業者からタッチプール用のナマコを譲り受けることになったのです。
ナマコの養殖は難しく、養殖プールの横に寝泊まりすることもあるのだとか。
養殖に心血を注いできた、社長の須藤由彦さんに、ナマコのすごさを聞くと…

須藤由彦さん
「ナマコのすごいところは、半分に切ると一匹が二匹に。再生能力がある」

さらに、ナマコには浄化能力もあるんです。
土からできたエサを与えて土が茶色く濁っても、すぐに透明な水に元通り!
ナマコは「海の掃除屋」とも呼ばれているんです。

濁った水が・・・
透明に!

澁谷先生は、社長から、ナマコだけではなく、知識や育ててきた思いも受け取りました。

澁谷こず恵先生
「こんなにたくさんいてすごいなという思いと、
 新潟ならではの佐渡だからこそできたナマコを、
(1日水族館に)来てくださる方たちに伝えられたらいいのかなと思います。」

一日限りの水族館~ナマコで繋がる人との出会い

一日水族館当日。その朝におじゃますると
タッチプールに佐渡のナマコが放たれていました。念願のタッチプールの完成です。

一日水族館オープン!タッチプールに続々と人が集まります。
ナマコは子どもたちに大人気です。

最初は「気持ち悪い」と言ってナマコを触れなかった女の子も、
一度触ると、「かわいい」に変わっていったのが、とても印象的でした。
直接触れ合うことが、海の生き物に興味をもつとても良い機会になっていると感じました。

中学生も大きなナマコに興味津々です。

将来の夢を聞くと…

このイベントを運営する学生たちも、同じく、飼育員になる夢を持っています。
そんな先輩たちから、アドバイスをもらいます。

先輩と応援のガッツを交わします

佐渡のナマコがつなぐ、生き物のふれあいと人との出会い。
ここでの交流をきっかけに、新しい世界が広がっていきます。


譲り受けたナマコは、タッチプールだけではなく
今後も大切に学校の水槽で育てていくということでした。
佐渡で愛情をこめて育てられた命の大切さを、飼育することで学んでいってほしいなと感じました。

おじゃまさせていただいた、ナマコ業者のみなさん、動物専門学校のみなさん、
ありがとうございました!

 

【ディレクター(牧陽子)のひとこと】

「1日だけの水族館」
新潟で唯一の動物専門学校が、学生中心で校内で水族館を開く事を知った。
ドルフィントレーナーなどを夢見て頑張る学生たちの姿をご紹介出来ればー

取材で出会ったのが、タッチプール担当、元トレーナーの澁谷こず恵先生。
「輸出できなくなったナマコのニュースを見て、佐渡へ取りに行くんです」
素敵!!
「ついていっていいですか!」と、急遽同行させて頂く事になった。
行きのフェリーで、隣の人に話しかけると、
「娘が動物専門学校に通ってるんです。
 不登校だったけど、犬を飼い始めて、その犬が病気になって、動物の看護師を目指すようになった」と。
動物には、人を元気にする力がある。

養殖場に着いたのは、10時すぎ。
どうしても、11時15分のフェリーに乗らなくてはいけないため、取材時間はぎゅっと限られていた。
ど迫力の大きなナマコ!魅力的な社長のトーク・・・カメラが止まらない・・
「ありがとうございました」と、泣く泣く車に飛び乗り、渡船場に着いたのは、11時13分!

リポーターの清水が「牧さん、荷物も全て置いて全力で走って下さい!」と。
でも・・・
「出発しますよー」(船の乗務員)
「もう少しだけ待ってください!」
そこへ、グリーンのTシャツ!清水まどかの姿がー
少し違うかも知れないが、「走れメロス」を思い出して胸が熱くなった。
番組は、チームワーク!
後半戦も、助け合って全力で走り抜けたい。

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