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清水がおじゃまします!牧野富太郎と新潟

  • 2023年06月29日

    コーナー「清水がおじゃまします!」。 
    地域密着リポーターの清水が、県内のみなさんのもとに直接おじゃまして
    地域で頑張る人や魅力的な取り組みなどをお伝えします!

    牧野富太郎と新潟の関わり

    連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデル、牧野富太郎博士。実は、新潟にもゆかりのある人物なんです!新潟県立植物園では「牧野富太郎展」が開かれているということで、その会場におじゃましました!

    素敵なタキシード姿で木を観察していたのは…植物園研究センターの久原泰雅さんです!
    牧野博士は「植物は恋人」ということで、野外で植物を観察するときには必ず正装をして、ちょうネクタイに山高帽をかぶっていたそう。その姿にならった久原センター長にご案内いただきました!

    牧野博士は新潟に5回・11か所訪れています。
    植物採集のみならず、講演会などで全国を巡っていたそうです。

    昭和8年に訪れているのは、佐渡。
    牧野博士が発見し、日本で初めて日本人が発表した植物として有名な「ヤマトグサ」が佐渡にも自生していることを調査しに来島。佐渡の調査では、多くの群生が確認され、その様子をみた牧野富太郎は、「群落としては全国一かもしれない」と評価したそうです。

    牧野博士が端にひっそりと座っている、書類に埋もれたこの写真。
    こちらはすべて収集した標本だそう!その数、40万枚です。この写真は、お金に困った牧野博士が、この標本を売ってお金の足しにするため一時的に集めたときのものと言われています。破天荒な牧野博士の人柄がにじみ出ているエピソードですね!

    牧野博士自身が採集した植物の標本は貴重です。新潟では「ツブラジイ」の標本、この一点しか現在は見つかっていません。今は新潟にはないとされるこの植物。90年前に採取されたものですが、色も形もきれいに残っています。

    牧野博士が命名した植物は1500種類以上!
    新潟でも15種類の植物を命名したことが確認されています。その中のひとつ、「フサタヌキモ」が展示されています。現存する生息地が数か所にしかないという希少な植物。この植物が、牧野博士によって新潟市南区白根で命名されていたことに、久原センター長も驚いたと言います。

    植物に人生を捧げた牧野博士

    「雑草という名の草はない」。植物の奥深さを伝えるこの言葉。
    牧野博士がいかに植物を愛していたかが伝わってきます。

    植物の奥深さを子供達へ

    そんな植物の奥深さを子供達に知ってほしいと、植物画を描くワークショップが開かれました。

    参加した人たちは、雑草だらけに見えるこの場所から、自分が気になった草花を採取して絵を描きます。この場所にも、およそ40種類以上の草花があるそうですよ!

    植物画も一流だった牧野博士。1ミリの間に5本の線を描くほどの精密さなんです。
    ここまで書き込めたのは、たくさんの植物を細部まで観察してきた経験があったからこそ。
    そんな牧野博士に習うように、子ども達も虫メガネを使って植物をじっくり観察していきます。

    葉っぱや茎に小さな毛が生えていることに気が付いたり、花びらの形が1枚ずつ違うことに気が付いたり。時間をかけて観察することで、新しい発見がどんどん見つかります。

    植物園研究センター 久原泰雅さん
    生き物の面白さというのは、「雑草」でまとめられるようなものではなく、ひとつひとつの種類、ひとつひとつ個体が個性を持っている。私たち「ヒト」もそうなんですが、いろんな可能性があって、いろんな生き物がいて、いろんな生き方があることこそが大事。

    おじゃまさせていただいた新潟県立植物園のみなさん、ワークショップにご参加のみなさん、
    ありがとうございました!

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