自転車利用者のヘルメット着用が努力義務に
- 2023年04月18日
道路交通法が改正され、自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務になりました。
これまでは、13歳未満の子どもを対象に、保護者が着用させるよう努めなければいけませんでしたが、この4月からは、すべての年齢の人が対象となります。
着用は面倒? 街の人は
「努力義務」ということで、着用しなくても罰則はありませんが、街の人はどう考えているのでしょうか?
手軽に乗れるのが自転車だから、いちいちヘルメットをかぶるのは面倒といえば面倒ですね。(70代男性)
いろいろ調べているんですが、値段が高いので、ちょっと様子見してます。
周りがかぶっていたら買おうかなと。(50代女性)
高校生の息子が自転車で通学しているので、「ヘルメットかぶったほうがいいよ」とは言いますけど、努力義務ですから強制はしないですね。(50代男性)
このような声が聞かれました。ヘルメットの着用をためらう人もいるようです。
ヘルメットの効果は?
では、実際、ヘルメットを着用するとどれほど効果があるのでしょうか?
JAF=日本自動車連盟は、親子3人が乗る自転車と、1人が乗る別の自転車が出会い頭に衝突した際、親の自転車の後部座席に乗っていた子どもの頭部に受ける衝撃を測定しました。
その結果、子どもの頭部への衝撃は、ヘルメットを着用していない場合、着用していた時のおよそ17倍になることがわかりました。
自転車店では品ぞろえを拡充
ヘルメットの着用が努力義務になったことを受けて、自転車用品店に変化がありました。
新潟市江南区の店では、大人用のヘルメットの品ぞろえを増やしたところ、ことしに入って2月までの販売数は、前年の同じ時期のおよそ5倍に増えていると言います。
もっとも売れているのは、つば付きタイプ。
店によると、「スタイリッシュで都会的。まちなかを走るときでも違和感がないデザインです」ということで、年齢や性別を問わず幅広い層に売れていると言います。
また、このようなデザインも。
一見、普通の帽子に見えますが、中にはヘルメットが入っています。
ヘルメットの着用に抵抗がある人が購入していくことが多いといいます。
この店で取り扱っているヘルメットの価格帯は5000円~10000円程度。
デザインや機能性が向上する一方、価格帯は上下に広がっているということで、多くの人に自分にぴったりのヘルメットを選んでもらえるようになってきているといいます。
そして、「持ち歩きが大変そう」「盗まれるのが心配」という声に応えるこんなアイテムも。
コイルワイヤー錠です。この片側をヘルメットの通気孔に通し、もう片側を自転車のカゴにひっかけると、ヘルメットを確実に自転車につないでおくことができます。
自転車用品店の千葉亮さんに話を聞きました。
ヘルメットに抵抗がある人でも、実際にかぶってみると「全然違和感がないね、これだったらかぶってもよさそう」ということで購入していただくケースが多くあります。
最近、スピードが出やすい電動アシスト自転車も普及しているので、自分自身を事故から守る意味でもヘルメットを着用してもらうよう勧めていきたいと考えています。
ヘルメットの正しい着用方法は?
ヘルメットは正しく着用しないと、十分な効果が得られません。着用方法を教わりました。
①ベルトが外に出た状態でまっすぐかぶり、ヘルメットの先端がまゆげの1センチほど上にくるように調整します。
②後頭部にあるアジャスターを締めます。
軽くゆすったり首を振ったりしても、ヘルメットがずれることがなければOK。
③あごひものベルトをしめます。
ベルトとあごの間に、指2本が入る余裕をもって調節します。
④耳の下のベルトのVの字部分がちょうど耳の下に来るように調節して完了。
正しいかぶり方をすることで、万が一のときでも頭を守ることができます。
また店によると、頭の大きさに確実に合うものを選ぶため、店頭での試着をしたうえで購入するのがよいということです。