SNS拡散の災害デマやフェイク画像 “AI生成の画像”も
“ドローンで撮影した静岡県内の災害の様子だ”とする画像がSNS上で拡散。しかし、投稿者は取材に対し、画像生成AIを使った偽の画像だと認めました。AIが著しく進歩するなか、実際の災害のようなフェイク画像を手軽に作りだし、デマが拡散するリスクも増えています。
2022年9月に放送されたニュースの内容です
2022年9月の台風15号による豪雨の影響で、静岡県で浸水などの被害が出る中、ツイッターにドローンで撮影した静岡県内の災害の様子だとする画像が投稿されました。
画像では住宅地が広い範囲で浸水しているような様子が見え広く拡散されましたが、信頼性についての指摘が相次ぎ、NHKの取材に対し投稿者は「AIが画像を生成するサービスを使った」などと偽の画像だということを認めました。
情報セキュリティーが専門の国立情報学研究所の越前功教授によりますと、投稿者が使ったとされるサービスは入力した文章に沿った画像をAIが生成するもので、注意深く見れば不自然な箇所は見つかるものの画質が悪いと判別がしづらく、手軽に巧妙な偽の画像を作り出せてしまうということです。
投稿画像を改めて確認すると、ビルのような建物が不自然な形をしているほか、静岡県内でここまで大規模な氾濫は発生していなかったことなどを知っていれば、疑わしい画像だと気づけそうなポイントがあります。
災害時のSNSを巡っては、2016年の熊本地震の際に「動物園からライオンが逃げ出した」などとうその内容をツイッターに投稿して動物園の業務を妨害したとして偽計業務妨害の疑いで逮捕者もでています。
また災害時の被災地の画像が誤っている場合、被災者が避難の判断を間違えてしまったり、確認のため防災機関に負担がかかったりします。
AIの技術を使うとあたかも実際の災害のような画像さえも作り出せることがわかった事案だ。SNSのユーザーである私たちが認識する必要があり、シェアする時は情報源などをしっかりと確認してほしい。
ネットワーク報道部 記者 高杉北斗
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