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『(ほぼ)"最長"鈍行』乗ってみた。

2022年10月7日

9月23日、西九州新幹線の開業に伴い時刻表を新しくした別井です。
新しい時刻表を手にすると、なんだかワクワクします。
今回の最大の関心事は「最長片道切符」の終点が変わったことですが、これはまた別の機会に。
さて、
今回『まるっと!×鉄旅』でご紹介したJR飯田線にまつわる「最長」があります。
それは最長「時間」鈍行です。(別井調べ)
新幹線や特急など長距離列車ではなく、普通や快速など日常を走る、いわゆる「鈍行」の最長。
少し前までは最長距離、最長時間は、北海道や山陽本線でしたがいずれも短縮。
距離では、福井県・敦賀発 → 兵庫県・播州赤穂行新快速や、上野東京ラインなど都市部にロングランナーがいますが、時間となると、飯田線が上位を独占。(別井調べ)

531M 豊橋14時42分発 ⇒ 岡谷21時37分着 6時間55分

544M 上諏訪9時22分発 ⇒ 豊橋16時16分着 6時間54分

しかし、531Mは車窓の半分が夕闇の中。544Mに乗るには名古屋からは始発でも間に合わない。
ということで、これらに次ぐ

519M 豊橋10時42分発 ⇒ 岡谷17時33分着 6時間51分

『(ほぼ)最長(時間)鈍行』で、飯田線を振り返りましょう!

豊橋駅の飯田線ホームには車止めの先に売店があります。ここが最後の「補給基地」です。
『鉄旅』のロケで、門前町が印象的だった豊川駅。「キヤ」が停まっていました。(豊橋出発から12分)

ロケ時は青々としていた田んぼも、実りの時期が近づいていました。(東上駅付近、豊橋出発から27分)

ところで、飯田線は、ワンマン列車以外(この列車も含め)も、ドア扱いは運転士が行います。

本長篠に17分停車。特急「伊那路」に道を譲ります。(11時42分着、豊橋出発から1時間経過)

ボックス席の窓が額縁のように、沿線の景色が映えます!「板敷川」の流れは美しく。

実は、『鉄旅』の最初の舞台を飯田線にした理由のひとつが、岩などが線路を覆いしばらく寸断されていたのが6月に再開。その姿をお届けしたい、再開を後押ししたい、そんな思いを込めたのでした。(湯谷温泉、豊橋出発から1時間26分)
秘境駅も、きょうは下車せず、乗り通します。
単線では、対向列車待ちで停車。(伊那小沢、豊橋出発から2時間50分)
絶景車窓のひとつ、平岡ダム湖。対岸からダム湖越しの映像もいつか狙ってみたいものです。(為栗、豊橋出発から3時間3分)ちなみに読めますか?(正解は写真で)。

船がお迎え。ちなみにここで運転士と車掌が交代。4分の停車。(天竜峡、豊橋出発から3時間31分)

縁起のよさそうな駅も。(鼎、豊橋出発から3時間55分)

地方私鉄由来の急カーブに車輪をきしませながら進む飯田線。

そして、飯田到着。この時点で豊橋出発から4時間1分経過。ですが、まだまだです。(改札にあった看板にて)

桜町(14時52分)はホームの上屋が美しく、
下平(15時08分)は下り勾配の途中にあり「どこが平やねん!」と心の声。
大沢信号所での対向列車待ちは萌えました。
高遠原(15時42分)で5時間経過。
伊那本郷(15時49分)の先、カーブを見下ろせる丘におじさんが座って列車を見ており「あそこから写真撮ってみたい」。気が付けば車窓にアルプスの山並み。

豊橋から5時間半で駒ヶ根(16時13分)8分停車。運転士はホームで体操、お疲れ様です。大型リュックを背負った方が乗り込んできます。
下校時間と重なり一気に学生で混雑しはじめた車内。
伊那市(16時46分)から伊那北(16時49分)の間は、まさに路地裏、軒先を走り、鉄道模型の中に入ったような気分。
かつてファンが集った伊那松島(17時04分)機関区跡は、いまでは電車が待機中。

緑色の鉄骨の架線柱に地方私鉄の味わい。沢(17時08分)で周囲が暗くなったためかブラインドを下ろされ、前面展望はここまで。
飯田線の終点・辰野には17時20分の到着、豊橋出発から6時間38分が経ちました。しかし列車はこのまま中央東線・岡谷まで直通。ここで乗務員がJR東海からJR東日本に交代。

次の川岸(17時28分)で「換気のためドアは自動で開きます」というアナウンスに会社による違いを感じ、コンクリートの高架線に挟まれるようにして岡谷2番線に到着。停車時間を含め豊橋出発から6時間51分の『(ほぼ)最長鈍行』完走です。

飯田線の旅は、これにて終了。
「まるっと!×鉄旅」も次回からは、新たな路線に出かけます。お楽しみに。

これまでの動画は、こちらからご覧になれます。

筆者

別井敬之アナウンサー

「東海道新幹線開業50周年・まるごと新幹線」「BS鉄道ファン倶楽部」「夢のSL記念館」「SL復活C571よ永遠に」など鉄道番組多数。時刻表検定取得。愛読書は時刻表(中型全国版)の"乗り鉄"。東海地方のJRは乗り尽くし完了。私鉄と第3セクターがもう少しかかりそう。。。