被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート57「原子雲の下に生きて」「原子雲の下に生きて」は、爆心地近くで被爆した子どもたちの体験をまとめた本で、原爆が投下されてから4年目にあたる昭和24年春に出版されました。発案したのは、みずからも被爆しながら被爆者の救護に力を尽くした医師、永井隆博士で、本には山里小学校と山里中学校の子どもたち自身の手記や、教師が子どもたちから聞き取って記した文章など37人のこどもと教師2人の体験記が収められています。「裸らしい、むらさき色の体、大声を出して私たちに呼びかけた。ああ、それがお母さんでした」。手記では、原爆によって両親や兄弟、友人などを次々に亡くした子どもたちの被爆当時の状況や深い悲しみが、子どもたちの言葉でつづられ、原爆の悲惨さを強く世に訴えています。原爆によって1300人の児童が亡くなった山里小学校には「原子雲の下に生きて」が出版された年の11月、本の印税と永井博士からの寄付をもとに「あの子らの碑」と呼ばれる碑が建てられました。碑は、原爆の犠牲になった多くの子どもたちを悼むとともに毎年11月には碑の周りで平和祈念式が開かれ、平和を祈る場所として大切に守られています。
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