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柴田アナの“遠くへ行きたい!”

~鉄道で訪ねる日本三大桜~
  • 2024年05月24日

 

「信州」2年目、まだまだ初心者の私。鉄道・バスで歴史スポットなどを訪ねるのが大好きで、地理的にも時代的にも“遠くへ行きたい!”と、信州の各地を公共交通機関でふらりと訪ねた様子をつづります。風の吹くまま、気の向くままに・・・。

皆さん、お花見に出かけましたか。桜というと、さまざまな思い出がよみがえってきますよね。
信州にも各地にすばらしい桜がありますが、今回は長野県をちょっと飛び出して、
山梨、岐阜、福島にある“日本三大桜”を訪ねた様子をご紹介します。
いずれも、大正時代に桜の木として国の天然記念物に初めて指定された名木です。
実は私、8年越しで3つの桜を訪ねるという念願を果たすことができました!

まずは、名古屋放送局に勤めていた2017年。岐阜県の大垣駅から、樽見(たるみ)鉄道の列車に
乗って、北へ1時間。岐阜県本巣市の山あい、終点の樽見駅です。
「うすずみ観桜号」とかかれた桜色のヘッドマークが印象的ですね。

1両編成の車両、かわいらしいでしょう。途中、何度も、根尾川にかかる橋を渡ったのですが、
すばらしい景観でしたよ。樽見駅から15分ほど歩くと・・・。

樹齢1500年以上といわれる「根尾谷淡墨桜(ねおだに・うすずみざくら)」です。高さ16m、枝の広がりが27m以上。「淡い墨」と書いて「うすずみ」と読むんですよ。花びらが、散り際に淡い墨色を帯びることから、こう呼ばれるそう。当時、「ごごラジ」というラジオ番組で、ここから生リポートしました!

1959(昭和34)年の伊勢湾台風で大きなダメージを受けました。作家・宇野千代は、老木の姿に心を痛め、保存を訴えました。その後、様々な処置が施され、淡墨桜は復活しました。
今では、およそ30本の支柱に支えられています。

再び、たくさんの花を咲かせるようになった淡墨桜。地域のシンボルとして親しまれ、毎年、開花の
時期には多くの人が訪れます。写真の左奥に見えるのは、淡墨桜の子どもの木「淡墨2世」です。

つづいて、ラジオセンターに勤務していた2019年。
福島県の郡山駅にて、磐越東線の列車とともに笑顔でパチリ。
この列車に乗って、北東へ。三春駅へと向かいます。

三大桜の2つ目、福島県三春町の「三春滝桜(みはる・たきざくら)」。
白い雪が残る中、紅色の桜、そして黄色の菜の花・・・ステキでしょう。
高さ13m、枝の広がり25m、樹齢1000年以上のベニシダレザクラです。
しだれ桜が滝のように見えるから、また、ここが「滝」という地名であることから、
「滝桜」と呼ばれているそうです。

滝桜は、写真のように斜面に立っています。まだつぼみが多くて、ピンクが濃かったのですが、
だんだん晴れて、上のほうのつぼみから開花して白っぽくなっていきました。
これまた「ごごラジ」で中継リポートしたのですが、午後1時台、2時台と、桜の色が変化していったことを覚えています。ちなみに、梅、桜、桃が同じころに開花する、三つの春が一緒にやって来るということで「三春」という町名なんだそうです。ステキな名前ですよね。

ことし4月、いよいよ三大桜の3つ目です。中央本線で、山梨県の韮崎駅にやってきました。
諏訪地域や佐久地域からも近いですよね。ここから、バスで目的地へ向かいます。

山梨県北杜市。実相寺という寺の境内にある「山高神代桜(やまたか・じんだいざくら)」です。
樹齢2000年ともいわれるエドヒガンザクラで、高さがおよそ10m、枝の広がり17m、幹回り12m、
堂々とした姿です。ついに、三大桜、最後の1つと対面を果たせました!

近くで売られていた、桜色のまんじゅうもいただきました。
神代桜を眺めながら食べる、甘いこしあんのまんじゅう、ぜいたくな時間でした!

境内には、スペースシャトルに乗って宇宙に行った神代桜の種が、地球に戻って発芽した
「宇宙桜」も、きれいに花を咲かせていました。
本家の神代桜より、こちらのほうがピンク色が濃いですね。

このほかにも、全国の名木の子が植えられていて、三大桜の1つ、岐阜の根尾谷淡墨桜の子桜もありました!黄色のラッパ水仙もたくさん咲いていて、境内を彩っていました。

私の個人的な8年越しの夢(苦笑)、鉄道で日本三大桜を訪ねる旅、いかがでしたか。
今回、この記事を書くにあたり、私もいろいろな思い出がよみがえってきました。
「山高神代桜」は、諏訪地域や佐久地域からも近いですし、「根尾谷淡墨桜」も、隣の岐阜県
ですから、ぜひ来年以降、桜のシーズンに鉄道でお出かけしてみてはいかがでしょうか。

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