ページの本文へ

NHK宮崎WEB特集

  1. NHK宮崎
  2. 宮崎WEB特集
  3. 自転車ヘルメットの努力義務どうする?衝撃17倍の実験データ

自転車ヘルメットの努力義務どうする?衝撃17倍の実験データ

  • 2023年04月17日

ことしの4月1日から自転車のヘルメット着用がすべての人を対象に努力義務化されました。
被らなくても罰則はありませんが、ヘルメットの着脱で頭部の衝撃を比較すると、着用していない場合の衝撃は約17倍、致死率は2.2倍であることが分かりました。
あなたはヘルメットを被りますか?

ヘルメットでどれくらい変わる?

実際の自転車の事故で頭部にどの程度の衝撃があるのか?JAF(=日本自動車連盟)が自転車どうしの衝突事故を再現して、人形を使って実験しました。

実験の結果、ぶつかった衝撃で自転車は転倒し、人形の頭は地面に打ちつけられます。

ヘルメットを着用した状態と、着用していない状態で頭部の衝撃を比較すると、着用していない場合の衝撃はおよそ17倍に上ることが分かりました。

また警察庁によりますと、おととしまでの5年間の自転車事故で、ヘルメットを着用していなかったケースの致死率は、着用していたケースの2.2倍以上だったということです。着用していないと頭蓋骨を折るなどの大けがにつながり、死亡のリスクが大幅に高まります。

増加する自転車の重大事故

自転車が関係する重大事故は全国各地で相次いでいます。警察庁によると、おととし1年間に自転車が関係する事故は全国で6万9694件、交通事故全体に占める割合は年々、増加傾向にあります。

亡くなった人は、おととしまでの5年間に2145人で、このうち6割が頭部の致命傷が原因だったということです。自転車用ヘルメットの着用は、これまで法律では13歳未満の子どもを対象に保護者が着用させるよう努めなければならないとされていました。

しかし、大人を含めて着用を習慣づけてもらうことで事故による被害を最小限に抑えようと、法律が改正され、4月1日からすべての人に着用が努力義務化されることになりました。

自転車通学が多い宮崎の高校は?

宮崎県内の県立高校では、校則などで通学時の着用を義務化したところは今のところありません。

8割の生徒が自転車で通学する宮崎西高校は「生徒の自主的な対応を促したい」としていますが、取材をした13日の朝は、ほとんどの生徒がヘルメットをつけずに登校していました。生徒会が開いた新入生向けのオリエンテーションでも正しい着用のしかたなどが説明された一方、着用を求める呼びかけはありませんでした。

宮崎県警察本部によると、県内で去年起きた自転車事故のうちおよそ3割の117件が高校生が関わるもので、合わせて110人がけがをしています。

生徒の反応は?

前髪が崩れると学校で直すのが大変なのでヘルメットはかぶっていません。校則になればつけるしかないかなと思います。(1年生の女子生徒)

(1時間ほどかけて自転車で通学しているので)通学距離が長いので、安全を第一に考えてヘルメットをつけています。(男子生徒)

宮崎県内でも自転車用ヘルメットの着用が進むのか、引き続き取材します。

ページトップに戻る