みんなでプラス メニューへ移動 メインコンテンツへ移動

みんなでプラス

“犬も猫も、大切なウクライナの一部”【ハルキウで動物を保護・マリアさん】

"この子は爆撃の中、ずっとゴミ箱の下をさまよっていました"

戦争の被害を受けているのは、人間だけではありません。ハルキウでは飼い主がいなくなった犬や猫が急増し、街中をさまよっているといいます。マリア・コロタエワさんはそんな動物たちの情報を拡散し、新たな飼い主を探そうと呼びかけています。マリアさんは「どんな犬も猫も、私たちの大切なウクライナの一部なのです」と訴え、一匹でも多く助けようとしています。

捨てられるペットたち ウクライナ人として助けたい

ウクライナ第2の都市ハルキウは侵攻開始直後に激しい攻撃を受けましたが、5月半ばにはウクライナ軍の反撃によってロシア軍を国境付近まで押し返していました。
話を聞いたマリア・コロタエワさんは、以前お話を聞いたセルゲイ・ボボクさんの妻で、共に運営するインターネット新聞「ハルキウタイムズ」の編集長をしています。

戦闘がやんだ街の様子がどうなっているかマリアさんに聞いたところ、避難した住民が連れて行けないなどの理由で残されたペットたちが急増し、路頭に迷っていると話したのです。

<マリア・コロタエワさん>
マリアさん

「本当にひどい状況になっています。もちろん飼い主のいない犬や猫の話なんて、いつでもどこでもある問題です。でも今は本当にたくさんのペットが捨てられています。
私はその情報をできる限りシェアしようとしています。その子たちが自分の家を見つけられることを願い、手助けしたいのです」

自身も3匹の猫と1匹の犬と暮らすマリアさんは、捨てられるペットのことを放ってはおけません。
3月以来自らのフェイスブックのページに50件以上投稿、新しい飼い主を探す呼びかけをしてきました。

"シェパードの男の子が見つかりました。人なつっこくて子どもが大好きで、間違いなく家庭で飼われていたと思います。飼い主の方いらっしゃいますか?”

"この子はまだ6か月。最愛のおばあちゃんが避難していることをまだ知りません。すぐに路上に出て行ってしまいます。この子に家を与えてくれる方、すぐにお電話ください!"

マリアさんによると、こうした動物たちを保護する動きがウクライナ各地ではじまっていて、ハルキウでも多くのボランティアが関わっているということです。
自分たちが生き延びることも大変な状況で、どんな思いで動物を助けようとしているのか。
マリアさんが口にしたのは、ウクライナ人とペットの深い関係でした。

マリアさん

「不思議に思われますか?こんな時代でも私たちはすみかのない犬や猫の世話をしているのです。
近所の人たちも同じようにしています。友だちなんて身寄りのないペットを6匹も引き受けています。
これがウクライナなのです。どんな犬も猫も私たちの大切なウクライナの一部なのです」

これまで取材した中には、ペットと一緒に避難した人もいれば、避難の際に家に残さざるを得なかった動物たちのことをずっと気遣う人もいました。
引き裂かれた“家族”の数がどのくらいに上るのか、想像もできません。
戦争によって傷つくのは人間だけではないと、改めて感じます。

「国際報道2022」5月17日放送より

みんなのコメント(1件)

感想
せいちゃん
40代 男性
2022年6月27日
助けてあげたいけれど、何もすることができません。多くの捨てられたペットたちが、無事であることを願います。
人間のためにも一刻も早く終戦を。