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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第61回】
今回、スポットを当てるのは、
ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)

プロフィール

仲井陽(1979年、石川県生まれ)と仲井希代子(1982年、東京都生まれ)によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。
NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。
手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出を得意とする。100分de名著のアニメを番組立ち上げより担当。
仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。
またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。
オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。

ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)さんに「力なき者たちの力」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

チェコはアートアニメーションに携わる者で知らない者はいない有名な国です。私たちもカレルゼマンをはじめ、多大な影響を受けました。
色彩設計も東欧らしい色合いをいくつか選択、配置し、洗練されたチェコのデザインに近いものを目指しました。

今回シンプルな線画を手法として選んだ理由は、作品を解説するにあたって、人種や時代などをなるべく意識させず、本質を見せられるようにと考えたためです。そして何よりも、ここで起きていることが、自分とは関係のないことだというふうに見せたくなかったからでもあります。

そういった意味で、動きの構成に関してもなるべく具体的に伝わるように心掛けました。文章をただ絵にするのではなく、出来るだけ現代の我々が実感しやすいように構造をかみ砕き、身近なイメージとして理解できるよう置き換えて表現しています。
社会に権力というものが存在する以上、誰も無関係ではいられないという思いを込めて作りました。

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