もどる→

もっとモンテ・クリスト伯

「モンテ・クリスト伯」の名場面・名セリフ

第一巻17章 司祭の室
ファリア司祭
「世の中には物識りと学者のふた色があってな。物識りをつくるものは記憶であり、学者をつくるものは哲学なのだ」

第二巻30章 九月五日
エドモン・ダンテス
「なさけよ、人道よ、恩義よ、さようなら・・・人の心を喜ばすすべての感情よ、さようなら!(中略)いまこそは復讐の神よ、悪しき者を懲らすため、御身に代っておこなわしたまえ!」

第三巻46章 無制限貸出
モンテ・クリスト伯爵(エドモン・ダンテス)
「百万フランくらいなんになりましょう?」と伯爵は言った。「御冗談はやめにしていただきます。(中略)百万?百万フランの金くらい、いつも紙入れか旅行用の小さい鞄のなかに入れております」

第四巻50章 モレル一家
マクシミリアン・モレル
「父は、自分の愛していた一人の友だちの名前、失ったその友だちの名前を、なんべんとなく小声に出しては、その人のことに思い耽っておりました。(中略)そして最期の息をひき取りながら『マクシミリアン、あれはエドモン・ダンテスだった!』と申しました。」

第五巻70章 舞踏会
舞踏会に出たモンテ・クリスト伯爵
伯爵は、わざととりつくろっているためと言おうか、それとも自然に身にそなわる威厳によるものと言おうか、顔を出すいたるところで人々の注意をひいていた。(中略)そのつやのない顔色とか、波をうった漆黒の髪とか、おだやかな、そして清らかな顔立とか、憂愁をたたえた深い眼ざしとか、きわめて高雅な、それでいて、ふとおどろくほどの侮蔑を浮かべる口もととかが、いやおうなしに人目をひかずにはいなかったからだ。

第六巻92章 自殺
モンテ・クリスト伯爵(エドモン・ダンテス)
「おれの名乗っている幾百の名前のなかで、お前をたたきのめすためにはただ一つだけでじゅうぶんなのだ。それがはたしてどういう名前か、おそらくあたりがついただろうな?というより、思い出すことになっただろうな?これまでの悲しみ、苦しみもなんのその、今日のおれこそは、復讐の喜びに、こうして若がえった顔を見せてやっているのだから。」

第七巻117章 10月5日
モンテ・クリスト伯爵(エドモン・ダンテス)
「この世には、幸福もあり不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態との比較にすぎないということなのです。きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです。(中略)人間の叡智はすべて次の言葉に尽きることをお忘れにならずに。待て、しかして希望せよ!」

山内義雄訳「モンテ・クリスト伯」岩波文庫より

ページ先頭へ