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佐々木クリス解説 島根スサノオマジックの今季 【Bリーグ】

序盤戦の評価・注目のライバル・期待の選手は?
  • 2023年12月04日

佐々木クリスさんが見る序盤戦の評価は?

シーズン約4分の1の14試合が終わった時点で、8勝6敗の島根スサノオマジック。
8チーム中、6チームが勝率5割以上とハイレベルな戦いが続く西地区で6位になっています。
序盤戦の評価と今後の展望などについて、北野剛寛アナウンサーがNHKのバスケット解説でおなじみの佐々木クリスさんにたっぷり聞きました。

※インタビューは14試合が終わった時点で実施。データもその時点のもの。

北野アナ

今シーズンのスサマジ、ここまでの印象いかがですか?

佐々木クリスさん

ここまでの戦いは“まずまず”と言っていいと思います。
混戦ひしめく西地区にあって勝ち越しているわけですから。
けが人もいる中での苦しい戦いでしっかり勝ち越せているというのは評価できる部分だと思います。

課題① “ビュフォード対策”が強化

スサマジは開幕戦で勝利し、そこから一気に5勝1敗と好スタートを切ったスサマジですが、思わぬアクシデントに見舞われました。それが、絶対的エース・ビュフォード選手の戦線離脱。ケガで5試合を欠場する事態になりました

ここまでビュフォード選手が欠場しているゲームもあるのでチームとしてはそこを、“何か風穴を開けなきゃいけない”と自覚していると思います。

ビュフォード選手は復帰したもののここまで平均17.4得点と昨シーズンより5点減少。
スリーポイントの成功率も35%台から13%台に落ち込んでいます。
クリスさんはけがの影響に加え2人がかりでとめる「ダブルチーム」など相手の“ビュフォード対策”の強化を指摘しています。

ビュフォード選手がボールを持ったら相手の5人のディフェンダーは全て警戒心がマックスに上がっていきます。最後のシュートは彼が狙ってくるとみんなが予想している中で、より攻撃をダイナミックに、そして相手のディフェンスが的を絞れないような攻撃を身につける必要があります。

課題② 攻撃停滞の時間帯も

懸念はビュフォード選手だけではないと指摘します。

長時間、得点が止まってしまう時間帯があるということです。

クリスさんが例に挙げたのが、11月に行われた中地区の強豪・川崎との一戦です。
この試合、スサマジは終盤、攻め手を欠き、外でボールを回す形が目立ちました。
今季6敗のうち半分の3試合は最終・第4クオーターでの逆転負けしています。

逆転負けを喫したゲームなどを見ていくと、後半相手はコンスタントに得点を積み上げているのに対して、島根の方は2~3分ですとか長いときは4分ぐらい、自分たちの得点が低下してしまって、よどみなく得点が積み上げられると、もっと勝ちきれると思います。

大混戦の西地区 気になるライバルは?

スサマジが波に乗りきれない中、西地区には“異変”も起きています。

昨シーズン3位だった名古屋、5位だった大阪は今シーズンそれぞれ首位と3位に上昇。
昇格組の長崎も4位に位置しています。

“下克上”ともいえる様相ですが、クリスさんはどう見ています?

長崎の戦いは本当にすばらしいですね。アップテンポな攻撃とスリーポイントを多用していて、馬場選手はファーストブレイクも多いですし、日本人離れした跳躍力でリングに向かってアタックできるので、長崎にはピッタリフィットしてると思います。
名古屋は毎シーズンけがさえなければ、チャンピオンシップに進めるチームだと思いますし、島根はこれまで琉球とも熱いライバル争いをしてきましたけど、名古屋も非常に怖い存在です。

優勝に向けた“カギ”は

悲願の初優勝を目指すスサマジ。混戦を勝ち抜くためには何がカギになるのか。

ビュフォード選手やキャプテン・安藤誓哉選手以外で期待されるのは?

僕は今シーズン2人の選手に注目しています。
ウイリアムス ニカ選手と谷口大智選手ですね。
この2人がコート上で高いパフォーマンスを発揮することが、ペリン・ビュフォード選手の負担を減らしてくれることになります。

ウィリアムス ニカ選手         谷口大智選手

ニカ選手に関してはディフェンスで非常に高い質が求められてくると思います。特にパワーフォワードやセンターの選手をファウルに気をつけてしっかりディフェンスしてそれからリバウンドを頑張ること。
谷口選手の場合はスリーポイントで相手のディフェンスを外に引きずり出すことができればリングの周りに切れ込んでいくスペースがもっと大きく生まれていく。スリーポイントの成功率が30%に満たない状態ですが、30%台後半を目指していくのが、非常に重要になっていくと思います。
あとはビュフォード選手が必ずチームにプラスの部分を持ち込んでくれるという計算が立つので島根の勝利の方程式になっていきます。

島根のファンは今シーズンこそスサマジの日本一を信じているんですけれども。
クリスさんズバリここから日本一の可能性どうでしょうか。

もちろん可能性はあります。
僕の中では積み上げのシーズンだと思いますし、長い60試合のシーズンなので、その中でたくさん経験し、“これは使える”、”これはチャンピオンシップできっと武器になる”、というものを少しずつ積み上げていくことが大事だと思います。

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