京都の秋 紅葉の赤に染まる神社に歴史のドラマを感じて
- 2023年12月01日
2024年のNHKの大河ドラマは、「源氏物語」の作者、紫式部の一生を描く「光る君へ」です。紫式部が氏神として信仰した京都の大原野神社は、平安時代から紅葉の名所として知られています。
紫式部が信仰した大原野神社
京都市西京区の大原野神社は、784年に奈良の春日大社の分社としてできた神社です。
貴族として京都で生まれ育った紫式部は、大原野神社を氏神として信仰していました。
京の都を懐かしみ 紫式部が詠んだ歌
父親の仕事に付き添い越前国、現在の福井県で暮らした時期には、京の都を懐かしんで歌にも詠んでいます。
ここにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩の松に 今日やまがへる
『(越前国の)日野山の杉林は、雪に深く埋れんばかりだ。きょうは、都の小塩山の松にも、雪が散り乱れて降っているのだろうか。』
大原野神社の齋藤昌通宮司
「大原野神社は小塩山のふもとにあり、氏神である神社を思ってこの歌を詠んだのではないか」
平安時代から知られる紅葉の名所
また大原野神社は平安時代から紅葉の名所として知られていて、境内にはおよそ200本のイロハカエデが自生しています。
秋が深まるにつれて赤い柱の社殿や鳥居と、紅葉とが折り重なり、一面が赤色に包まれます。
モミジは奈良時代までは「黄葉」と表されていて、「紅葉」と表すようになったのは平安時代からと言われています。
平安時代の当時から、おそらくこの地域も自然も、そう変わりはないと思っています。紫式部も氏神であるこの大原野神社に参詣をしているので、時の流れと申しますか、そういったことを感じていただければと思います。
新年から紫式部の御朱印
大原野神社では2024年1月から、紫式部の絵と歌が描かれた御朱印を参拝客に授けることにしています。
大原野神社の紅葉は12月上旬までが見ごろだということです。