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第1394回
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2022年2月25日(金)公表

日本放送協会第1394回経営委員会議事録
(2022年2月8日開催分)

第1394回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1394回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2022年2月8日(火)午後1時30分から午後3時00分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   尾 崎   裕 堰 八 義 博
    高 橋 正 美   長谷川 三千子 不 破   泰
    水 尾 衣 里   渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 松 坂 専務理事
  小 池 理 事 松 崎 理 事

 

 

<場   所>
○放送センター  22階経営委員会室
○大阪・名古屋・札幌 各拠点放送局および長野・福島 各放送局 (※テレビ会議システムにより接続)

 

<議   題>

 

1 議事録確認

 

2 報告事項

 (1) 2022年度(令和4年度)国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (2) 2022年度(令和4年度)国際放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (3) 2021年第3四半期 営業活動の状況(資料)

 (4) 「令和4年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見について(資料)

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本部と大阪・名古屋・札幌の各拠点放送局および長野・福島の各放送局をテレビ会議システムで接続しての開催となります。なお、皆さまには、座席の間隔をとって出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

<前田会長 入室>

 

 

1 議事録確認

 第1393回(2022年1月25日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2022年2月11日に公表することを決定した。

 

<正籬副会長 入室>

 

 

2 報告事項

 (1) 2022年度(令和4年度)国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (正籬副会長)

 2022年度(令和4年度)国内放送番組編成計画について、報告します。
 この「編成計画」は、先月12日の経営委員会で議決された「2022年度(令和4年度)国内放送番組編集の基本計画」を踏まえ、来年度の具体的な放送計画としてまとめたものです。
 資料は2種類あります。別表である時刻表と編成計画です。本日は、編成計画を中心に説明します。
 なお編成計画と時刻表は視聴者の皆さまに公表するものですので、従来どおり総合テレビやEテレなど放送波を軸にした書き方になっています。しかしコンテンツについては、昨年度よりニュースや教育、ドラマといった10のジャンル別の総合管理に移行しています。それぞれのジャンルに対する視聴者の皆さまのニーズを把握・分析した結果に基づき、予算や制作総量などの資源を適切に配分しました。
 来年度の改定においては、このジャンル管理に基づいて検討を進め、これまでの改革の成果を目に見える形でお示しし、視聴者の皆さまに「NHKは変わった」と実感していただくことを目指して、この「編成計画」を立てました。
 総合テレビとEテレをあわせた地上波の改定の規模は、2003年の地上デジタル放送開始以来最大となり、総合テレビとEテレの新設、移設をあわせた改定率は42%になります。
 まず、1ページの一番下をご覧ください。2022年度の改定の実施は4月4日月曜日からといたします。
 次に編成計画の要点です。波ごとに、編集のポイントと概要を記載しています。まず総合テレビからご説明します。ジャンル強化とゾーン編成の考え方で視聴者の皆さまのニーズに応えていきます。
 1つ目のポイントは、「『新しいNHKらしさ』をけん引するニュース・報道番組の強化」です。新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念や自然災害の激甚化への不安が高まる中、安全・安心を求める視聴者の皆さまの声にさらに的確かつ迅速に応えるため、ニュース・報道番組を強化します。土曜夜間に大型ニュース番組を新設するほか、平日夕方のニュースを大幅リニューアルし、平日朝や日曜の午前帯もニュース・報道強化ゾーンと位置づけます。編集の基本計画の重点事項1である「一人ひとりの命を守り、安全で安心な暮らしに貢献」への対応の強化です。
 2つ目は、「平日ゴールデン帯、土日夕方で、家族視聴など幅広い世代に向けたゾーンを強化」です。平日のゴールデンタイムに、“こういうことが知りたかった”という時代のニーズに応える報道情報番組や暮らしや食、健康などさまざまなテーマで、家庭で役立つ情報をお届けする番組などを新たに編成します。また土日の夕方も幅広い世代でリラックスして見られ、知的好奇心を満たす時間帯として強化します。このゾーンには、今年度50本規模で進めてきた「新しいNHKらしさを目指す番組開発」の中から選ばれた番組が入っています。
 3つ目は、「平日午後10時台・大人向け教養・エンターテインメント番組の強化」です。世界中のアーカイブス映像を活用して歴史を追体験する本格的な教養番組など、上質で心に潤いをもたらすようなコンテンツを求める大人の視聴者に向けて、多彩な番組をラインナップします。
 4つ目のポイントは、「平日午後10時台・若年層向けゾーンを新設」です。月曜から木曜の午後10時45分に、若年層の視聴習慣を意識した4夜連続の帯ドラマ枠を新設します。さらに午後11時台は、今あるテレビ番組では飽き足らない若年層向けに特化したゾーンとし、3か月ごとに番組を入れ替えるなど、多様で個性的な番組を編成していきます。
 5つ目は、「番組開発と新しいドキュメンタリーへ挑戦する枠の新設」です。「新しいNHKらしさ」を追求する番組開発を継続するために、土曜の午後11時30分に開発番組枠を常設します。また日曜深夜には若い世代が制作の中核を担う番組を新設し、次世代に向けた新しいドキュメンタリー番組に挑戦していきます。ここまでは特に編集の基本計画の重点事項3「幅広い視聴者に応える、多彩で質の高いコンテンツを提供」を意識したポイントになります。
 6つ目は、「地域情報の全国発信番組の充実・強化」です。土曜日の午前10時からの時間帯を地域情報の発信を強化するゾーンとして新たに設定しました。新たな地域発ドキュメンタリー番組や地域情報を発信する番組の再放送を編成します。地域の放送局が独自編成を組みやすいようにする狙いもあります。さらに年に数回、土日の午後に地域応援キャンペーンを設けることで地域サービスをより充実させます。編集の基本計画の重点事項4「地域情報の全国発信を強化し、各地域の発展に貢献」の実現を目指してのポイントになります。
 続いてEテレです。帰宅時間が遅い保育園児の増加など、視聴者の皆さまの暮らしの変化に対応してゾーンを設定し直し、それぞれ強化していきます。また全体を通して、編集の基本計画の重点事項6「青少年やこどもの教育と健全な育成、“人生100年時代”の学びを支援」の実現を目指します。
 最初のポイントは、「朝の“幼児・子ども番組ゾーン”に新番組を新設」します。平日と土曜日の朝に、子どもたちが楽しい気持ちで1日をスタートできる新番組を開始します。
 続いて午前中には「『学校放送番組』『高校講座』をつなげた“学びのゾーン”を新設」します。平日の午前中に、小学生から高校生まで10代全体が広く学びに接することができるよう、およそ2時間の“学びのゾーン”を新設します。また曜日ごとのラインナップも教科ごとにわかりやすくし、学校に行くことが難しい子どもたち、通信制・定時制高校に通う生徒、学び直しをしたい人たちの利便性を高めます。
 3つ目は、「平日夕方の幼児・子ども番組を生活実態にあわせて編成」です。共働き世帯の増加などで、帰宅時間の遅い保育園児が増えたことに対応して、複数の番組を移設しました。
 次に平日夜の早い時間帯はファミリー番組を強化します。小学生、中学生、高校生が家族と一緒に楽しめる番組を8つ新設します。
 また平日夜の遅い時間帯は、ライフ・教養ゾーンとして強化します。多彩な文化や教養に触れ、人生を豊かにしてくれる大人のための番組を編成します。デジタルとの連携も積極的に行い、媒体の特性を生かした形でコンテンツを提供します。
 その他にも土日夕方の子ども番組ゾーンを充実させたり、土曜の夜に若者ゾーンを新設したりするなど、各世代の生活時間を意識した編成の工夫を実施します。また語学番組では、語学の学習だけでなく、その国の文化の理解を深める内容も充実し、さまざまな学びのニーズに応えます。
 さらにEテレの人気番組で簡易型の公開番組を開発するなど、イベントで地域の皆さまと直接ふれあう機会を拡大します。Eテレの公開番組は、新年度に29本を予定しています。なお2021年度は17本でした。
 続いてBS1です。“ライブ感あふれる情報チャンネル”として、「スポーツ」「国際」「ドキュメンタリー」「地域」の4分野を軸に、刻々と変化する視聴者の皆さまの関心にしっかりと応えていきます。
 1つ目のポイントは、「国内外の『今』を伝える幅広い番組の編成」です。日本国内・世界の最新動向に対する視聴者の関心に応えるニュース・情報番組、ドキュメンタリーなど、多角的な番組を編成します。国際・経済情報の充実も図ります。編集の基本計画の重点事項7「分断ではなく対話を 日本と世界の相互理解を促進する発信を強化」を体現するポイントです。
 2つ目は、「新たなスポーツ番組の開発・編成を強化」です。東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承するために、若年層に人気の高い競技など新たなスポーツ番組の開発に積極的に取り組みます。編集の基本計画の重点事項8「“東京2020”のレガシーを生かし、放送・サービスを充実」を意識しながら編成していきます。
 また「地域情報の全国発信の充実」に引き続き取り組んでいきます。平日夜間の国際ニュースと海外のスポーツ情報番組をシームレスにつなげることで、世界の最新情報を伝える時間帯にして見やすくします。
 続いてBSプレミアムです。個性と見応えを追求した多彩な知的エンターテインメント番組を提供し、格別な満足感を得られるチャンネルを目指します。
 1つ目のポイントは、「幅広い視聴者を満足させる特集番組を週末に編成」です。土曜夜間に自然・紀行・歴史・ドラマなど、多くの視聴者の関心を集める特集番組や中継番組を多彩に編成します。衛星放送ならではの満足感を追求する幅広いジャンルの番組をお届けします。
 2つ目は、「ターゲットを意識した夜間帯の編成の強化」です。平日夜間に過去の名作の4Kリストア版を放送するなど、関心のある視聴者が見やすい時間帯を意識した編成を実施します。
 このほか日曜朝の番組編成の工夫やアーカイブス番組の有効活用、地域の魅力を発信する多彩な番組の編成を行います。
 続いてBS4Kです。編集のポイントは、「“超高精細映像でもっと楽しむ”BS4Kの普及に向け多彩な番組を編成」です。BSプレミアムの定時番組の多くを2K4K一体制作し、より多くの番組を超高精細映像でお届けします。過去の名作ドキュメンタリーやドラマなど、貴重なアーカイブス映像を4Kでよみがえらせ、時代を超えて新たな楽しみを人々に届けます。また4Kの高画質と機動力を生かしたスポーツ中継、ニュース番組も放送します。
 続いてBS8Kです。編集のポイントとしては、圧倒的なインパクトの新作と8Kらしさを生かした新機軸のコンテンツを土曜・日曜に集中編成するほか、世界最高水準のスポーツ映像体験の提供や8Kの魅力を凝縮した番組のテーマ別編成を実施します。
 続いてラジオ第1放送です。安全・安心を担う音声基幹波として、命と暮らしを守る情報を届けるとともに、多様なジャンルの番組をバランス良く提供し、さまざまなリスナーに支持されるよう編成します。
 編集のポイントは、平日午後帯に地域情報の発信の充実、また金曜午後8時台に報道・社会問題に向き合う番組の新設を行います。
 ラジオ第2放送です。生涯学習波として、多様な知的欲求に応える番組を編成します。中でも英語番組の刷新・強化を行い、さらなる聴取者の開拓を目指します。
 続いてFM放送です。2025年度に向けた、音声波の再編を検討する一環で朝のラジオ第2と同じ時間帯に語学番組を編成します。
 次に新設番組等の概要です。ここまでご説明した編集のポイントと重なる部分が多いので、説明は省略します。
 次は放送時間等です。放送波ごとに「教養」「教育」「報道」「娯楽」の各部門の定時放送時間および比率を記しています。各波とも免許や認定証の基準、もしくは編集の基本計画で定める部門別編成比率のいずれかを満たしています。
 次は地域放送時間です。編集の基本計画の重点事項4「地域情報の全国発信を強化し、各地域の発展に貢献」に直接関わる項目です。総合テレビは1日平均3時間程度、ラジオ第1は2時間40分程度、FM放送は1時間20分程度となります。ラジオ第1が、今年度と比べて10分程度増加します。また、放送時間の下に、地域情報の全国発信拡充のため新設した番組を記載しています。
 続いて補完放送等の放送計画です。データ放送は、安全・安心情報を引き続き充実させていきます。また各種のスポーツイベントでは試合や競技の結果、見どころ情報などを伝え、視聴者の関心に応えます。各波の詳細などは省略します。BS4K・BS8Kのデータサービスでは、視聴者から要望が多かった映像外での字幕表示サービスなどを提供します。
 次に字幕放送、解説放送等です。編集の基本計画の重点事項5で「多様な価値を認め合い、ともに生きる社会を目指した放送・サービス」と掲げているとおり、ユニバーサル・サービスの充実と拡充に努めます。
 字幕放送と解説放送は、行政指針を踏まえ作成した長期計画に基づき拡充し「人にやさしい放送・サービス」の充実に努めていますが、総合テレビの字幕放送については来年度から6時30分から24時30分の時間帯で対象となる番組について100%の付与が実現します。
 放送波ごとに字幕放送、解説放送などの対象番組が掲載されておりますのでご参照ください。
 次はEPG(番組ガイド)です。放送時間と放送内容について記載しています。
 続いてインターネット活用業務です。地上テレビ常時同時配信として、総合テレビで放送している番組は24時間(2021年度までは19時間)、Eテレでは1日19時間程度提供します。またサービス開始以来ご要望の多かったテレビ向けのアプリを新たに開発し、テレビデバイスでも見逃し番組配信を開始します。そのほかウェブサイトやアプリケーションなどでもサービスを提供します。
 「NHK NEWS WEB」など、これまで提供してきたサービスに加えて、来年度からは「NHKラーニング」という新たなウェブサイトが誕生します。これは編集の基本計画の重点事項6「青少年や子どもの教育と健全な育成、“人生100年時代”の学びを支援」を具現化するためのサービスです。NHKが制作するコンテンツを“まなび”という視点で集めて、人生100年時代の視聴者の皆さまの学びたいという思いに応えます。
 また大阪拠点放送局をはじめ、名古屋、福岡など各拠点放送局で放送している地方向け放送番組に加え、地域放送局で放送した番組の全国に向けた配信をさらに拡充します。
 最後に、他の放送事業者が行う配信業務への協力です。民放公式テレビポータル「TVer」経由で一部の番組を提供するほか、インターネットラジオ「radiko」を経由したNHKラジオ第1放送、FM放送の配信を行います。
 説明は以上です。

 (村田代行)

 BS4K・BS8Kでは映像外での字幕の要望が高いという説明がありましたが、映像外での字幕とはどのようなものでしょうか。

 (正籬副会長)

 映像にかぶらない、枠の外にある字幕のことです。

 (村田代行)

 今までは映像にかぶっていて、それが見にくいというご意見が多かったということでしょうか。

 (正籬副会長)

 そのとおりです。NHKプラスでは、枠の中か外かを選べるようになっています。

 (長谷川委員)

 以前の「国内放送番組編集の基本計画」と重ね合わせながらご説明いただいて分かりやすかったです。編集の基本計画の重点事項7の「分断ではなく対話を 日本と世界の相互理解を促進する発信を強化」に関して、日本の国内にある「対話不足」や「分断」について、番組の中で対話、対論形式とすることで克服していくというようなタイプの番組の編成も一部企画しているのでしょうか。

 (正籬副会長)

 さまざまな番組の中で、いろいろな課題を取り上げていくということです。討論番組をやるのかやらないのかについては番組の中身の形式にもよります。例えば「日曜討論」などの討論番組がありますが、一つひとつの番組で討論をやるかやらないか、また特段それを決めて「分断」に絞って討論だけをやるかどうかということは考えておりません。ただ、いろいろな番組の中で、さまざまな演出方法で分断を越えるようなものを目指す番組をつくっていくという意味合いです。

 (長谷川委員)

 一般論として、対立し合った論者を招いて、対話するような番組を計画するわけではないということですね。

 (正籬副会長)

 個別の番組の演出についてのご質問ではないと理解しておりますが、一般的には、演出の内容を含めて分断を越えて対話が促進されるような、そういったものを意識した番組をつくりたいということです。

 (長谷川委員)

 分かりました。民放では、時として過激な言い合いをするような番組があったりしますが、それに対して、NHKらしい本当の対話の番組が打ち出せたらすばらしいと思います。

 (正籬副会長)

 ご意見として承ります。

 (井伊委員)

 テレビ向けのアプリについては非常に多くの要望があったと思います。ほかにもさまざまなアプリがありますが、これらは外注して開発しているのでしょうか。

 (正籬副会長)

 コンテンツの内容や編集については、NHKで実施しています。基盤などのいろいろな技術などでは外部のものを使うこともあります。

 (井伊委員)

 NHKの中でアプリの開発をしているのでしょうか。

 (正籬副会長)

 内製もありますし、外注する部分もあります。例えば制度設計など、外部の人の意見やさまざまな視聴者の声、テクニカル面でのアドバイスも受けたりしながら、内製で実施する部分もありますし、具体的なシステムの構築では外注する部分もあるということです。

 (井伊委員)

 これからアプリのアップデートや不具合が生じたときに対応が必要になるので、NHKの中にそのような技術を持つことも必要だと思います。

 (正籬副会長)

 今のご指摘は重要です。内製で強化しなければならない部分もありますが、一方で、内製ではコストがかかる部分は外部のものを取り入れていく必要があります。NHKが配信基盤を一からつくるというようなことはありませんが、制度設計などはしっかり内部で行っていく必要があると思います。

 (井伊委員)

 地域放送局で放送した番組の提供については現在は1週間ですが、新しい取り組みでは2週間とする方針なのでしょうか。

 (正籬副会長)

 原則は1週間なのですが、地域放送局の番組は放送してから提供するまでに時間がかかることもありますので、2週間としています。

 (編成局 局長)

 地域の見逃し配信の期間について、原則2週間としておりますが、コンテンツによって短くなる場合があるということをご理解ください。

 (明石委員)

 今回の説明で、放送波からジャンル別の総合管理に移行することがよくわかりました。10のジャンルに基づいて、番組の位置づけの説明もあり、大変期待しております。地上デジタル放送以来最大となる42%もの大きな番組改定によって、新しいNHKらしさを実感してくださる方がたくさんいらっしゃると思いますし、教育番組や若年層、幼児向けの番組にも力を入れてやっていくこともよく分かりました。
 しかし一方で、今までもNHKがよい番組をたくさんつくっていることを一般の人に認知していただけないというハードルを抱えてきたのではないかと思います。この機会に、テレビという放送以外でもNHKのよい番組を知っていただけるような展開をぜひ行ってほしいと思いますし、そうすることで、テレビから離れてしまった人たちがまた戻ってきてくることにつながるように思います。またそのような人たちが、今回の改定の中から新たな人気番組を育ててくれることにつながるのではないかと思うので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 (森下委員長)

 「新しいNHKらしさ」はニュース・報道番組のパートのみで出てきます。これを読むと「新しいNHKらしさ」はニュースでしか実現しないと見えてしまいます。

 (正籬副会長)

 説明では「新しいNHKらしさ」を体現する1つ例として土日のニュース番組の強化をお話ししましたが、例えば、教育福祉の充実、若年層や幅広い世代に見ていただけるような新番組の開発なども「新しいNHKらしさ」につながります。

 (森下委員長)

 今回は「新しいNHKらしさ」が1つのポイントですので、これをPRしなければならないと思います。例えば、その後の午後10時台の大人向け教養・エンターテインメント番組の強化などです。要するに「新しいNHKらしさ」のポイントが分かりづらいので、今後のPRについて考えてほしいと思います。

 (正籬副会長)

 タイトルのつけ方でニュースに片寄ったような印象を受けたかもしれませんので、今のご指摘を踏まえて、これから視聴者の皆さまにご説明するときには全体をPRしたいと思います。

 (森下委員長)

 ニュース・報道番組の強化は非常に大事で、特にインターネット上にフェイクニュースの懸念が多くある中で、やはりNHKが出すニュースは正確な情報であることをPRすればよいと思います。解説番組も含めて、この点を強化することは非常に大事なポイントです。
 「視聴者のみなさまと語る会」では、若い人たちがなかなかゴールデンタイムにテレビを見られず、夜遅くなら見られるという意見がありました。時間帯をできるだけ分散して、そのような人たちもうまくニュースが見られる機会を増やす方法を考えていただきたいと思います。部門(種別)ごとの定時放送時間および比率について、「報道」が42.3%となっていますが、去年と比べて変わっているのでしょうか。ニュース・報道番組の強化によって、この比率が変わったかどうかの確認です。

 (正籬副会長)

 来年度の放送時間で報道が42.3%を占めることについてはこれまでと大きく変わらず、昨年度の42.5%から0.2ポイント下がっています。減少したのは16時50分からの夕方の報道番組を見やすさや前の番組等を考慮して17時からの開始に変更し、毎日10分減ったことによるものです。ただ、報道強化という点では、土曜日の夜にニュース番組を新設したり、夜10時台に放送していた報道番組をゴールデンタイムの7時30分に変更したりして、より多くの方に見ていただくよう取り組みます。また、夕方の番組についても、生活情報の意味合いが強かった部分を、ライブ感を強くしてニュース性を高めていきたいと考えています。またBS1についても、ニュースを国際・経済に絞って差別化を図り、全体の内容の強化を図っていきたいと考えています。

 

<小池理事 入室>

 

 (2) 2022年度(令和4年度)国際放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (小池理事)

 2022(令和4)年度国際放送番組編成計画について報告します。この編成計画は、先月12日の経営委員会で議決された「国際放送番組編集の基本計画」に基づき、時刻表や編成計画の要点などをまとめたものです。
 今後のスケジュールおよび改定の実施期日等は国内放送に準じます。
 まず、外国人向け英語放送の「NHKワールド JAPAN」のテレビ放送についてです。「ニューノーマル」時代の日本と世界の動きをとらえ、ニュースや番組で多角的に伝えます。また、世界の視聴者をひきつける新たなコンテンツの開発にも取り組むとともに、在留外国人に向けたサービスも充実させます。
 次に、新設・刷新する番組をご紹介します。冒頭から3番組は、新たなコンテンツの開発に取り組む新設枠です。「NHK Drama Showcase」では、世界の視聴者に訴求するシリーズドラマを国内放送と連携して開発し、国際発信します。下の2番組は、日本語学習コンテンツです。仕事に役立つ日本語スキルや、ニュースのキーワードや背景も学べる番組を新設し、在留外国人向けサービスを充実させます。
 次は、17言語による外国人向けラジオ放送です。「地域の特性に合わせた、さまざまなメディアの組み合わせによる情報発信」と「インターネット活用の強化」に取り組みます。
 次は、インターネットです。コンテンツの充実と機能性・操作性の向上を図り、災害発生時の英語および多言語による情報発信にも力を入れます。
 在外邦人向けテレビ放送「NHKワールド・プレミアム」と在外邦人向け「NHKワールド・ラジオ日本」では、日本の最新の動きや課題を発信し、海外の日本人の安全と安心を支えます。「ニュースウオッチ9」などを中心に、ネット配信する番組を増やします。
 以降は、各波の放送時間や部門別比率等の表となっています。また、時刻表は別表となっています。

 (井伊委員)

 先ほど明石委員から、NHKのよい番組を知っていただくような展開を行ってほしいという意見がありましたが、私は国際放送もそのように思います。国際放送番組審議会の議事録を読んで、評判がよかったものを自分で視聴し、学生に紹介したり講義で使ったりしています。本当におもしろいもの、すばらしいものがたくさんあります。英語の勉強にもなるので、日本人にも参考になると思います。
 以前にも申し上げましたが、NHKプラスの中で国際放送にリンクするなど、もっと知ってもらう工夫はできないでしょうか。

 (小池理事)

 国際放送のネットの中では、見逃し番組配信やVODも含めていろいろな展開をしていますが、今のところは制度の面でNHKプラスから国際放送に展開することはできません。

 (井伊委員)

 一般の方にとってはNHK内部のことはよくわからないと思いますが、NHKプラスのサイトから国際放送にすぐにアクセスできないというのは、効率的ではないように思います。

 (小池理事)

 多言語での展開なども含めて、国際放送の番組を幅広く世界の人たちに見てもらえるような努力をしていかなければならないということで、われわれも検討を進めていますので、その中でさまざまな展開ができるようにさらなる充実、向上を目指していきたいと思います。

 (井伊委員)

 本当にすばらしい番組があるので、よろしくお願いします。

 (不破委員)

 災害時において、インターネットやラジオで多言語での情報提供をすることは非常にすばらしいことであり、海外から来られている方にももっとお知らせしなければいけないと思います。例えば、自治体などの窓口でそのような情報を提供するなど、NHKだけで提供するのではなくて、海外から来られた方がふだん届け出をするところで情報提供の紙を置くといったお知らせができればと思いますが、いかがでしょうか。

 (小池理事)

 海外の方々向けに、自治体の窓口などで国際放送に関する情報提供を行っています。また、大学の留学生の方に対しても、各大学などを通じて「NHKワールド JAPAN」の周知、宣伝なども行っています。

 (不破委員)

 わかりました。ぜひ続けていただければと思います。私が在籍する大学の留学生と話をしてもあまり知らないので、ぜひ周知をお願いします。

 

<正籬副会長、小池理事 退室、松崎理事 入室>

 

 (3) 2021年第3四半期営業活動の状況(資料)

 (松崎理事)

 2021年度第3四半期の営業活動の状況について報告します。
 まず、目標達成状況です。営業業績の契約増加数については、12月末で契約総数は年間目標マイナス25万件に対してプラス0.1万件、衛星契約はプラス10万件の目標に対して900件の増加となりました。
 公平負担について、支払率は半期ごとに集計するため9月末時点の数字となり81.2%、衛星契約割合は12月末時点で52.9%となりました。
 改革への取り組みです。訪問によらない営業の取次数については、新規契約取次は50万件、衛星契約取次は35万件となりました。新規・衛星取次ともに、第4四半期においては訪問によらない営業への転換をさらに強化していきます。
 次は、年度別受信料の収納状況です。当年度分は5,000億円となり、2020年10月からの受信料の値下げと年度初頭の契約数の減の影響等により、2020年度を105億円下回りました。このうち上半期に生じた値下げの影響が93億円です。2021年度予算値となる当年度収納額6,663億円、受信料収入6,714億円をともに上回る見通しです。また、前年度分は28億円、前々年度以前分は22億円となります。
 訪問によらない「新たな営業施策」の状況です。受信料制度の理解促進にむけ、去年7月より利用を開始した「特別あて所配達郵便」およびFacebookやInstagram、Yahoo!を活用した「デジタル広告」について、これまで13都道府県で試験的な利用を実施しました。従来型の訪問対策は、未契約世帯の世帯主への接触を目指してきましたが、これに対しデジタルは「世帯主以外の未契約者」「既契約者」「NHK放送コンテンツの非接触者」へも接触できたと分析しており、接点拡大に効果があると考えています。
 第3四半期の営業活動のご報告は以上となります。
 第1391回経営委員会(2021年12月21日)において議決された「電子メールアドレス等の届出事項の変更に関する放送受信規約の一部変更」について、2月2日の電波監理審議会での審議を経て、同日、総務大臣の認可を受けました。
 今後は、視聴者の皆さまからの意見募集や経営委員会からいただいたご意見等を踏まえ、4月1日の施行に向けて準備を進めてまいります。
 報告は以上です。

 (堰八委員)

 第3四半期までの報告なので、今回の数字は理解をしましたが、今年度が完了したときに、当初計画と実績についての評価を行い、PDCAをきちんと回していただきたいと思います。年度が終わったときに、NHKとして、執行部としての評価を入れつつ報告をしていただきたいと思います。

 (松崎理事)

 わかりました。

 (長谷川委員)

 基本的には口座振替やクレジット払いではない人をターゲットにした施策が中心のように見えますが、実質的に一番多いのは口座振替やクレジット払いのお客さまですよね。口座振替だからと安心していると、解約する人もいるし、亡くなる人もいると思います。そのような減少はどのぐらいあるのでしょうか。それから新たに口座やクレジットで支払ってくださる方がどのぐらい増えているのか、それらの数字は大事なのではないでしょうか。

 (松崎理事)

 ご契約者のほとんどの方が口座あるいはクレジット払いでお支払いをされている方で、大事な数字ですので、データとしてはしっかり取っており、分析もしています。

 

<松崎理事 退室、松坂専務理事 入室>

 

 (4) 「令和4年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見について(資料)

 (松坂専務理事)

 令和4年度NHK予算に付する総務大臣の意見について報告します。
 1月12日に総務大臣に提出した「令和4年度の日本放送協会収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見が、2月2日の電波監理審議会への諮問・答申を経てとりまとめられました。収支予算等は、この意見が付され、令和4年度に係る中期経営計画が添えられたうえで、2月4日の閣議を経て、国会に提出されました。
 この大臣意見は、総務大臣がNHK予算を国会に提出するにあたり、予算の内容の妥当性などを検討し、予算執行にあたってNHKが配意すべきことについての大臣の意見を国会に対して表明するものです。
 それでは大臣意見の内容をご説明します。別紙をご覧ください。
 冒頭の総論部分では、「スリムで強靱な組織となることを目指し、徹底的な取組を行うことが求められている」としたうえで、「引き続き経費削減に徹底的に取り組むとともに、受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組を進めることにより、収支均衡を確保することが求められる」としています。また中期経営計画で示した2023年度に受信料の値下げを行う方針について「衛星付加受信料を含め、受信料引下げの内容を早期に具体化すること」や、「公共放送番組のインターネット配信の意義やサービスニーズについて議論を深めていくこと」、「業務・受信料・ガバナンスの三位一体改革に不断に取り組むこと」が求められています。
 以下、各論として特に配意すべき点が8項目挙げられています。
 1の「国内放送番組の充実」では、正確で迅速な報道の確保や質の高い番組の提供を行うとともに、国民・視聴者の負託に的確に応えること。大規模自然災害発生時に、テレビ、ラジオ及びインターネットを適切に使用し、きめ細やかな情報提供を行うこと。災害報道、国会中継、地域放送局における字幕放送や手話放送などの一層の充実に取り組むこと。新4K8K衛星放送について、公共放送の担い手としての先導的役割を果たすこと、などを挙げています。
 2の「総合的な海外情報発信の強化等」では、国際放送のより一層の充実・強化を図ること。海外への情報発信にあたっては、国際放送に加えてインターネット配信を活用し、総合的な発信の強化に努めること。国際放送の安定的な実施を確保するため、設備の維持管理や運用体制の構築に万全を期すこと、などとしています。
 3の「インターネット活用業務の適切な実施及び関係者間連携等」では、適正な規模の下で節度をもって事業を運営すること。業務実施で得られた知見等は、広く社会全体に益するよう適切に公表すること。民間放送事業者の求めに応じ連携・協力の取組の具体化を図ること。地方向け番組の配信や、災害報道の同時配信の充実に努めること、などとしています。
 4の「経営改革の推進」では、衛星及びラジオの放送波の削減については、その具体的な計画を早期に明らかにし、国民・視聴者への丁寧な周知に努めること。子会社等については、利益剰余金の適切な還元に努めることや、全体規模の縮小などの点に関しその内容を更に具体化すること。業務の合理化・効率化等の取組を着実かつ徹底的に進めること。ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組むこと。適正な労務管理や不断の働き方改革に徹底して取り組むこと。女性職員の採用及び役員・管理職への登用を積極的に拡大すること。放送ネットワークの維持・管理に関する民間放送事業者との連携・協力について一層積極的に実施していくこと、などとしています。
 5の「受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組等」では、「訪問によらない営業」への転換については、営業活動の一層の合理化・効率化に向け新たな方策に積極的かつ早期に取り組むこと。障害者に対する受信料の免除措置に関して、ICTの活用による申請手続の更なる効率化に向けた検討を行うこと。「衛星波の削減を行う2023年度に受信料の値下げを行う方針」については、衛星付加受信料の扱いを含め、受信料引下げの内容を早期に具体化すること、などとしています。
 6の「大規模災害及びサイバーセキュリティに対応するための公共放送の機能の強靱化」では、被災地の復旧・復興への取組を支援すること。首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模災害に備えた公共放送の機能の強靱化を図ること、などとしています。
 7の「放送センターの建替及び公共放送の機能の地方分散等」では、新放送センターの建設計画の抜本的な見直しに関し具体的な内容を早期に明らかにすること。保有設備の削減を着実に実施すること。公共放送の機能の地方分散に取り組むこと、などとしています。
 8の「新型コロナウイルスの感染拡大への対応」では、正確かつ迅速な情報の提供等に努めるとともに、協会自身が社会的使命を十全に果たしていくため徹底した対策を講じること。受信料の支払い困難者への対応について適切に検討すること、などとしています。
 説明は以上です。

 (尾崎委員)

 NHKはこれを受けて、令和4年度の経営計画は予算も含めて何か修正しなければならないということになるのでしょうか。

 (松坂専務理事)

 NHKの予算案や事業計画が国会に提出され、これから国会での審議が始まりますが、その審議に付する際に総務大臣としてはこのような点について意見を述べたということで、今後の予算の審議などについての総務大臣から見たポイントなどが挙げられています。この点について国会で質疑が行われれば、NHKとして丁寧に説明するということになります。また、衆議院、参議院はそれぞれ予算を承認するときに附帯決議を付し、両院として、国会としてどのような点が重要か、留意してほしいかという意見を付することになっています。

 (尾崎委員)

 総務大臣によるNHK予算に対する意見として、大事なポイントが書いてあるということで受け取ればよいのですか。最終的に国会で審議された意見を尊重して、計画を修正する手続きになるということなのでしょうか。

 (松坂専務理事)

 予算を承認していただくときに両院などで附帯決議が出ますので、それについては尊重しながら事業運営にあたっていくということです。承認されなければ再提出や組み替えが必要になると思います。

 (尾崎委員)

 分かりました。説明を尽くして、当初予定どおりにやらせてもらうことは大切だと思います。

 (長谷川委員)

 総務大臣が受信料の引き下げをはっきりおっしゃっていて、われわれも何度も議論をしてきたところなのですが、この点はどのように考えていますか。

 (松坂専務理事)

 2023年度に受信料の値下げを行うことについては、現在の中期経営計画に明示しており、対外的にも説明していますので、それを早期に具体化してほしいという意見だと理解しています。

 

<前田会長、松坂専務理事 退室>

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2022年2月22日      

森 下  俊 三 

 

 

高 橋  正 美