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【被災地の声】輪島市の特別養護老人ホーム 峰岸洋介さん「利用者の命を最優先に」

  • 2024年01月17日

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。

疲れが出て体調が悪化する人や、避難生活の中で亡くなる人も相次いでいます。

大変な状況の中で取材にこたえてくださった被災者の方たちがいます。

輪島市の特別養護老人ホームの施設長、峰岸洋介さんの声です。

被災した高齢者施設過酷な環境に

高齢者施設では職員自身も被災しながらの介護が続いています。

輪島市の特別養護老人ホーム「福祉の杜わじま」は建物が被害を受け、入所者全員が廊下で過ごすなど厳しい状態が続いていました。

11日からは石川県内の別の施設への避難が始まっています。

「利用者の命を最優先に」

施設長の峰岸洋介さんに、施設のこれまでの状況について話を聞きました。

施設長の峰岸洋介さん

「まずは利用者の命を守ることを最優先に考えました。地震発生当時、私はこの施設にいたのですが、扉も開かない状態だったので、利用者の体をまずは外に出して安否確認をするところから始まりました」

「それから寝るところを確保しないといけないので、各部屋からマットを持ってきて、寒くならないよう床に敷いて休んでもらうようにしました。しばらくして職員で扉を開けてなんとかベッドを集めることができ、今に至っています」

「心配したのは食事のこと」

「施設内の様子最初に心配したのは食事のことです。建物の中は荷物が地震でめちゃくちゃになってしまったので、非常食を出すところから始めました。常備していた3日間分を提供しながらしのぎました。しばらくしたら物資が届き始めたので、一安心しました」

 

施設内の様子

一方で、時がすぎ、ライフラインが復旧しない中で、限界に来ていたと言います。

「普通の人でも衰弱するような状況で、限られた職員と限られた空間での生活には限界があります。電気がない中で明るい時間帯に食事を取らなくてはいけないので『1日3回』は難しく『1日2回』で午前9時と午後3時に提供するという形になっています。利用者の方もこういった動かない状態で狭いところにいると運動機能も下がってきます」

被災しながら家に行けない職員も

「ほとんどの職員が被災していて、家をなくしたとか、中には発災当日ここで勤務していて潰れてしまった家がある地域に行くことすらできない人もいます。寝泊まりしながらここで働いてもらっている職員もいて、感謝しかないです。金沢などほかの地域に家族が避難してしまったけれども、使命感で残ってくれている職員もたくさんいます」

 

今後については。

「今いる利用者が安全なところに移動でき、安心して暮らせるという、それがまずは第一です。次は職員のことです。職員も生活があるので、そちらも守れるように動いていきたいと考えています。その先は建物を修理して使える状態にして、何人か引っ越す職員もいるかもしれないですが、なるべくもと元の状態に復帰して利用者も職員も元の生活ができるように動いていきたいと考えています」

 

被災地の状況について、こちらから情報をお寄せください

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