トップページ  番組情報  情報WAVEかごしま  さつま狂句  2020年9月29日放送分

9月の兼題「踵(どげん)」
(第四回 9月29日放送分)

さつま狂句

伝線で 妻ん踵が 舌を出っ
鹿屋市 西牧 一竜 さん

解説

(ストッキングの伝線で、奥様の踵(かかと)が顔をのぞかせたという意味です。)
キャスター:女性としては、見られたくないことを見られてしまったという感じもありますが・・・・・・。
寿星 :この句はそんな細かいところまで気づくのか、という成功例です。優秀句はそれぞれ、なるほどというところに目を付けていらっしゃいます。
キャスター:「舌を出した」が面白いですね。
寿星 :これが「踵(どげん)がひん見(み)えっ」では狂句味が半減(はんげん)してしまいます。最後にこのようなひねりを加えたことで、句が輝きました。

<唱> 美人が台無し そや一大事
(それでは美人の奥様が台無し、一大事だという意味です。)
いつまでもお幸せに。

※今日のポイント

「無理な言葉を使わない」
投句の中には字余りを避けようとして、無理な言葉が見られます。
絵日記が「種切れっ」とか、暑さで「夏ばてっ」というような使い方です。一部市民権を得ている言葉もありますが、基本的にはこのような動詞の使い方はありません。
名詞を動詞として使う場合、辞書には「○○する」と載っております。それぞれ「種切れいなっ・種切れをしっ」「夏ばてをしっ」となるわけです。