トップページ  番組情報  情報WAVEかごしま  さつま狂句  2018年2月28日放送分

2月の兼題「飛っ(つっ)」
(第四回 2月28日放送分)

さつま狂句

支払れん日にゃ 右かあ左い 諭吉ちゃ飛っ
鹿児島市 八重尾 乙姫 さん

解説

(支払いの日には右から左に諭吉様が飛んでいくという意味です。)
寿星 :私はすでに年金生活ですが、年金の支給日には買物をしたり、止めていた振込みをしたりと妻がせっせとやっているようです。その中にはもちろん私へのすずめの涙ほどの小遣銭も含まれます。私はそれを押し頂いております。
年金も少しずつ削られてきており、入金の割に支払いが多いなあと奥様の嘆きが聞こえてくるようです。
「諭吉が飛っ」と課題通りに狂句らしくうまくまとめて頂きました。
キャスター:「右から左に」の表現がうまいですね。
寿星 :その通りです。諭吉さまは一時も手元にはいないわけです。残された人生のために貯金をと思っても、とてもとてもでしょうね。
キャスター:さあ、どうしたものでしょうか。では唱です。

<唱> 今月もまた 堪さん遣い繰い
(今月もまた、きついやり繰りをしなくてはならないなという意味です。)
奥様の嘆きが聞こえて来ます。やり繰りの中には、若い夫婦なら親元に泣きつき、私達の年代では、まだ小遣銭を減らすかとなりそうです。寒い寒い。

※今日のポイント

「薩摩狂句は人間不在ではいけない」
薩摩狂句は人を詠むのが原則です。今月の投句に「鶴が飛んだ」だけの句が沢山有りました。人間以外を詠む場合は「人のように見立てて詠む・・擬人化」の方法と、「人間との関わり合いを持たせる」方法があります。句の題材を決めた時に、この二つの点を確認してから句作りにかかりましょう。