七三に 分けた頭で 固て冗談
出水市 宮 桃次郎 さん
解説
(頭髪も七三にきちんと分けてあり、冗談も固いという意味の句です。)
黒柱 :「七三」はわかりますか?
キャスター:はい。男性の髪型のことですよね。
黒柱 :一般的には、真面目できちんとした印象を与える髪形という印象があります。
キャスター:だから、頭も固いというイメージがあるわけですね。
黒柱 :そのとおりです。ですからそんな人の冗談も 固ぐるしいだろうというわけです。
この句の発想もとてもユニークです。七三の髪型と冗談の組み合わせを思いついたこの作者の狂句センスは素晴らしいと思います。
キャスター:では、唱です。
<唱> 義理で付っ合っ 片頬で笑るっ
(義理で付き合ってちょっとだけ笑ってやるという意味です。)
義理の笑いも気を遣うことでしょう。
「薩摩狂句に上質な笑いを」
「何を笑うか」によってその人の人柄分かるといわれます。作品は人柄そのものです。たかが薩摩狂句であってもただ笑えば良いというものではないと思います。もっと上質な笑いを追及したいものです。